テレビゲーム実施中の前頭前野における活動量の低下は認知機能への影響との関連で議論されてきたが,筆者らは最近,テレビゲーム実施時の熟達者の脳活動の上昇を報告した.本稿では,熟達者が新規ゲーム課題を学習する際の脳活動および運動技能の変化について報告する.
発表タイトルのスキルトロニクスは、道具を使用する人間にも一定の負担として獲得可能なスキルを仮定・要求したうえで人工物を設計し、トータルシステム目標のよりよい達成を目指す、人に優しくない設計モデルである。
身体運動スキルの熟達過程において、競技者が自らのパフォーマンス間の差異や共通点に気付くことは極めて重要である。本研究は身体運動を姿勢変化に基づいて分節化し、競技者の気付きを促進することを目指した。
重力を利用して打鍵する「重量奏法」は、百年以上の間、ピアノ打鍵動作における熟練技能であると考えられてきた。本研究では、逆動力学計算と筋電図解析により、重量奏法が一流ピアニストのみが用いる運動技能であることを、世界で初めて実証することに成功した。