ある事物について評価した結果を5段階のランク付けのような程度の大小で表現したい場合に、その大小を表す共通の語彙を提供する程度表現オントロジ(略称DEX)を提案する。DEXは、既存のhReviewやContent Labels等に比べて程度の値を表す拡張容易な語彙を備える点を特徴とした、OWL DLベースのオントロジである。DEXの普及により、Web上の商品レビュー記事や評判分析サービスを横断的に比較・統合した新たな情報分析サービスの登場が期待できる。本論文では、DEXの設計方針と現状の仕様、および応用や課題について議論する。
現在,筆者らは,情報家電の使い方情報の検索を対象とした情報家電オントロジを検討している.情報家電の使い方情報の記述のような特定の応用であっても,情報家電固有の語彙体系のような特定の語彙体系だけでなく,さまざまな汎用の語彙体系が必要となる.(財)情報処理相互運用技術協会(INTAP)次世代Web委員会では,そのような汎用の語彙体系のひとつとして,評価の程度を記述するための程度表現オントロジ(DEX)を検討し,仕様の策定を行ってきた.本稿では,DEXの適用例のひとつとして,情報家電分野での適用について検討した結果を報告する.情報の信頼性や故障原因の確度や,接続方法のお勧め度などの記述方法を検討した.
トピックマックの標準化が進み適用事例も増える中、トピックマップの構造、データモデル、構文、参照モデル、グラフ記法、問合せ言語、制約言語、公開主題(Published Subjects)などなど、トピックマップについて検討すべき課題も益々多様になってきている。様々な課題に適用しその結果を検討、考察するための、小さくて、シンプルで多目的に使える"家系図トピックマップ"を提案する。誰にでも身近で自身の問題として取り組める適用例を提示することで、トピックマップについての課題の解決、利用の促進・利用技術の向上に資することができればと考えている。
オントロジーの大規模化に伴う構築のコストを軽減する為には,一つのオントロジーを複数の構築者で協力して開発する分散共同構築が必要とされる.筆者らが開発を進めているオントロジー構築・利用環境「法造」では,1)一つのオントロジーを複数に分割し,相互の依存関係を保持しつつ個別かつ並列的に開発する,2)一つのオントロジーを複数の構築者で共有し,アクセス管理の元で共同構築を行う,という2種類の方法によるオントロジーの分散共同構築支援機能を提供する.本発表では,それらの支援機能について述べる.
従来は特定のポータルサイトを発信源としていたWebにおけるクチコミが,情報発信コストの低減によって分散化する傾向がある.同時に情報量は増大しており,これらの情報を有効に活用するための仕組みが必要とされている.その一案として,膨大な情報を収集し,クチコミを抽出するサービスが流行している.これらのサービスを機能や提示方法の観点から比較し,得失を議論する.また,当該技術へのメタデータ,オントロジーの応用可能性について考察する.
本研究では,オントロジー検索エンジンSwoogleを用いて領域オントロジー構築支援環境DODDLE-OWLの拡張を行う.また,Swoogleを用いて獲得したOWLオントロジー及び専門文書を参照リソースとした,領域オントロジー構築支援手法について述べる.
CommonLisp Object System(CLOS)を用いて,OWL-Fullプロセッサを開発した.OWLユニバースはRDFユニバースの拡張として実現し,OWLクラスも個体としての扱いを可能とした.RDF(S)およびOWL-Fullによるオントロジーのメタモデリングについて説明し,本処理系を用いたいくつかのメタモデリングの実例を示す.
本稿では,異種のコンテンツやサービスの相互連携を実現することを目的として,データ形式とオントロジーの標準に基づいて,Web上のサービスやコンテンツを収集・構造化・蓄積する枠組みについて述べる.ここでは,オントロジーに基づいて意味構造を明示することにより,コンテンツの質を高めるための技術や,Webブラウザ上のコンテンツ操作をドラッグ&ドロップで行うためのJavaScriptライブラリ(WebSLIT),ならびに,JavaネイティブのWebアプリケーションサーバのソフトウェアフレームワーク(YOSEE)について報告する.