パッケージによるシステム導入はコストや保守性の観点から、実績ノウハウの再利用が重要である。パッケージ導入ベンダーは、顧客の要件に合致するように既存ノウハウを詳細かつ最大限に再利用し、システム設計・構築することが求められる。しかし、ノウハウ事例の探索・選別プロセスに要する時間および探索結果の網羅性は、探索者の能力・暗黙知に依存する。本研究ではパッケージによるシステム導入時の設計におけるコスト削減や構築時間の短縮を目的とし、実績ノウハウ情報を構造化し、要件に合致するノウハウ事例の抽出を支援するシステムを開発した。そのシステムをERPパッケージに適用することで、有用性の検証を行った。
近年,ソーシャルネットワーキング技術を応用した社内SNSを導入し,コミュニケーションの効率化・活発化を通じて,イノベーションの創造につなげようとする企業が増えている.本稿では,社内SNSの先行研究を振り返ったのち,独自のアンケート調査結果を踏まえ,国内外における社内SNS市場の最新動向を紹介する.さらに,イノベーション創造に対する社内SNSの有効性を検証するために,「社内SNSに蓄積されている大量のソーシャルデータを分析するためのプラットフォームの構築」および応用例としての「添付ファイル解析機能」を提案する.
知識・技術・技能の伝承支援研究会(SIG-KST)は2007年に設立されて以来,関連する研究講演を100件以上実施してきた.また,2012年からはほぼ毎回討論会を実施し,対象とする分野や技術の体系的な整理を試みている.本稿では,これまでの研究会活動から得られた知見をもとに,過去の研究講演の分類と分析について述べる.その中で,多様な分類方法に基づく講演事例の検索システムの構築について報告し,そのシステムを利用した講演内容の分析として,視覚的な語彙を用いた事例の記述とその類型化について考察する.