雄蛾の貯精嚢及び輸精管膨大部から採つた精液に5%葡萄糖溶液を2倍量加へで硝子毛細管に封入し、5℃ 又は0℃ に貯藏し精子の生存期間を調査して下の如き結果を得た。
1)正常な蛾の精子は非活性のまゝでは0℃ に於ては20日間位はかなり健全な状態を維持出來、一部のものは40日乃至50日生存したが、5℃ に於ては30日以上生存したものはなかつた。活性にしたものは5℃ では非活性のものより生存力が劣る。
2)蛹の初期に10日間又は中期に5日間5℃ に冷藏された蛾の精子の生存力は正常なものと差異を認め得なかつた。
3)化蛾後5℃ に10日間冷藏された蛾の精子の生存力は化蛾當日のものと異ならぬが、20日以上冷藏されたものの精子は劣つた。
4)常温に5日間放置されて衰弱した蛾の精子の生存力は正常なものに比し劣つた。
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