日本蚕糸学雑誌
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26 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 一新ペプチド“oxalyl peptide”の確認について
    阿久根 了, 古賀 克也, 福永 隆生
    1957 年 26 巻 6 号 p. 373-379
    発行日: 1957/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    (1) 絹フイブロインの酸化生成物 fraction IV (ペプチド・フラクシヨン) は酸性を呈し0.1n-NaOH, による中和容量は15.70cc/gであつた。
    (2) Fraction IVの構成アミノ酸としてはグリシン, アラニン, バリン, ロイシンの他にセリン, アルギニン及びリジンを確認した。
    (3) Fraction IVの加水分解液から修酸を確認分離 [(COOH)2として9.8%, -CO・COOHとして7.98%] したのでこのフラクシヨン中に次の型式の一新ペプチドの存在を確認した。著者らはかかる構造のペプチドに対して“oxalyl peptide”なる名称をつけた。
    (4) Fraction IVのペーパークロマトグラフイ, 透析, 滬紙電気泳動及び吸収スペクトル測定などにより, このフラクシヨンは oxalyl peptide を主として他に若干のペプチドを含む混合物であることが判つた。
    (5) Fraction IV中の oxalyl peptide 以外のペプチドはDNP法により検索の結果, α-アミノ末端残基としてそれぞれグリシン, アラニン, セリン及びアルギニン残基を有することを認めた。
  • 渋谷 勲
    1957 年 26 巻 6 号 p. 380-386
    発行日: 1957/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    So-called Sericin-cocoons which do not contain any amount of fibroin have been treated with cupriethylenediamine solution to transfer the sericin molecules quantitatively from insoluble form to water soluble globular one. The sericin aqueous solutions, thus obtained, have been analyzed by means of electrophoresis, ultracentrifuge or diffusion measurements comparing with other described sericin preparations and also with soluble proteins extracted from silk-glands of mature Sericin-cocoon-forming silkworms or normal ones.
    The results show that 1) all the previous sericin fractions such as MOSHER'S A and B or HAYASHI and ODA'S α and β must be the heat denaturation and/or degradation products, and native sericin can not consist of other than only one component with the isoelectric point of pH 4. 2, 2) there may be a unique dissociation-association system in sericin solution and 3) there might be such a kind of interaction between fibroin and sericin as to change the latter only to gel form, which might suggest the mechanism of naturally occurring selective coagulation of silk proteins.
  • (I) 吐糸振幅 (∞型) の大小とチジラとの関係
    高橋 幸吉, 新津 伴吉
    1957 年 26 巻 6 号 p. 387-391
    発行日: 1957/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • (II) ∞型糸縷の収縮状態
    高橋 幸吉
    1957 年 26 巻 6 号 p. 392-398
    発行日: 1957/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • (III) 本病と桑品種との関係
    松尾 卓見, 桜井 善雄
    1957 年 26 巻 6 号 p. 399-405
    発行日: 1957/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    本報告には桑芽枯病の病理学的研究, とくに本病と桑品種の関係について記述した。
    16桑品種を供試して桑条面の傷口からの侵入の難易, 桑樹生長期に於ける病斑拡大度, および桑樹生長休止期に於ける病斑拡大度を検討した。これら異つた面を問題にした各実験の結果は, ほゞ平行関係を示し, 安東早生は本病に対して極めて弱く, 鼠返・改良鼠返・長沼などは比較的弱く, 剣持が抵抗性であることが判明した。しかして他の多くの栽培品種はこれらの中間に位した。桑の系統 (山・白・魯) と本病の関係については一定の傾向を見出し難かつた。なお寄主の抵抗要因としての過敏性現象の如きは各品種ともにみられなかつた。
    桑条組織細胞の病原菌侵害に対する進行性反応のうち, 傷部木栓組織形成および傷痍ゴム状物質集積の病理学的意義を桑品種を媒介として論じた。傷部木栓組織 (または傷部木栓層) の形成度の多いもの (または早いもの) 必ずしも病斑が小さいとは限らない。しかしながら各種観察結果から, 傷部木栓組織は病斑の大きさを決定する又はその拡大を阻止する唯一の要因とはいえないが, 桑樹生長期に於ける病斑拡大阻止の重要な要因であると結論した。傷痍ゴム状物質は剣持 (抵抗性) には一の瀬 (中間性) または改良鼠返 (罹病性) よりも著しく多く形成される。しかし剣持にあつても病原菌はそれを回避または突破しうる程度であるから, 直接の抵抗要因として大きな比重をおくことは困難なように思われる。
  • (I) 天候並びに防除処理による銹胞子飛散の推移
    森田 泰作, 天野 音次
    1957 年 26 巻 6 号 p. 406-411
    発行日: 1957/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    本実験は赤渋病防除に関する研究の一環として, 1954年に福島大葉, 無拳交互伐採仕立の桑園5アールを供試して, 本病の発生予察並びに誘因と合理的な防除時期の決定及びその効果の判定の要素となる銹胞子の飛散状況と各種環境との関係を5月末より8月上旬までの間, 銹胞子採集法によつて検討した。
    (1) 銹胞子の飛散は天候とくに降雨と密接な関係にあり, 強雨のあつた時あるいはその直後に多く, 同じ降雨でも気温の低いときに飛散数が多い。本病の発生もこれと不可分の関係にあり, 約1ケ月で全圃場が試験調査不可能な段階にまで蔓延した。
    (2) 供試圃場では収穫枝伐採後4日目の5月24日に最初の銹胞子飛散 (5個) を認め, これより40日目の7月7日に調査期間中の最多 (632個) に達し, 全圃場に発生蔓延した。
    (3) 銹胞子の飛散分布には圃場内の微気象が関係し, 換気不良, 湿気の停滞がその分布を多からしめる。圃場上空における飛散は風下に多いが, 吹上げられた銹胞子は遠隔な風上にも落下する。また本病の発生分布も同傾向にあつて, 蔓延期における風向の影響は大であるが初期及び末期には大差がない。
    (4) ダイセン水和剤撤布は一時銹胞子の形成飛散を抑制し得ても寄主体に侵入した菌糸の殺滅までには至らず, 短期間のうちに再び新たな飛散が始まる。また著しい伝染源となる罹病激甚部位の早期剪除は, 銹胞子の飛散を激減せしめる効果がある。
  • 石森 直人
    1957 年 26 巻 6 号 p. 412-417
    発行日: 1957/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 1957 年 26 巻 6 号 p. 418
    発行日: 1957/12/28
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
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