摘桑機を開発するための基礎資料の一つとして, 桑葉のせん断抵抗値を実験室内で測定した。その結果は次のようである。
1. 桑葉のせん断抵抗値は葉柄の中央点で最大値3.9kg, 最小値1.5kg, 平均値2.75kgであった。
2. 桑葉のせん断抵抗値は葉位と関係があり, その傾向は11葉位から30葉位間で上昇し30葉位と70葉位間に最大値が存在し, 70葉位を過ぎると減少の傾向を示した。
3. 桑葉のせん断抵抗値と葉重との間では, せん断抵抗値は葉重が増加するにつれて直線的に大きくなる。また, 条長の長, 短によっても影響される。
4. 桑葉のせん断抵抗値が葉柄の径によって支配される程度はそれほど大きくない。
5. 桑葉のせん断抵抗値は葉柄上の位置で異なり, 最大値は葉柄の付根から10mmの点で3.73kg, 次が葉柄の中央点で3.32kg, 最小値は葉柄と葉身の境から5mmの点で2.67kgであった。また, 葉身部では3.84kgであった。
6. 以上の結果から, 摘桑機は葉柄軸上でしかも, 条から離れた位置をせん断する機構とすることが有利と思われる。
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