カイコ病原性微胞子虫
Vairimorpha sp. NIS M12胞子を, 苛性カリ処理後昆虫細胞培養液IPL41と混合したが, 胞子はほとんど発芽しなかった。一方, 苛性カリ処理した
V. sp. NIS M12胞子をリン酸緩衝生理食塩水 (PBS) または Rinaldini 液と混合した場合は, 約30%の胞子が発芽した。Rinaldini 液に浮遊した鱗翅目昆虫由来の
Spodoptera frugiperda SF21AEII細胞系に苛性カリ処理した
V. sp. NIS M12胞子を接種し, スポロプラズムによる感染およびシゾントの二分裂による増殖を確認した。また, 27℃, 20℃および15℃の培養条件下では,
Nosema bombycis と類似した生活環が観察され, octospore の形成は見られなかった。本研究で樹立した
V. sp. NIS M12の持続感染培養では, 感染した
S. frugiperda 細胞の融合によるシンシチウム形成は観察されなかった。
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