ソルガム類のタイプ・品種に注目して窒素および無機成分吸収量の特性を検討した。ソルガムの栽培は2005年および2006年に行い,両年次65品種(子実型:7,兼用型:11,ソルゴー型:15,スーダン型:22,スーダングラス:10)について検討した。その結果,N,P_2O_5,K_2O,CaO,MgO,NO_3-N濃度およびK/(Ca+Mg)当量比に品種間差が見いだされた。同様にN,P_2O_5,K_2O,CaOおよびMgO吸収量についても品種間差が認められた。子実型,兼用型,ソルゴー型ソルガムとスーダン型ソルガム,スーダングラスのグループに大別すると養分濃度および吸収量の平均値は,養分濃度,吸収量ともにスーダン型ソルガム,スーダングラス品種が子実型,兼用型,ソルゴー型ソルガム品種に比較して高かった。NO_3-N濃度が0.2%を超えた品種数は,子実型,兼用型,ソルゴー型ソルガム品種では,存在しなかったが,スーダン型ソルガム,スーダングラス品種では,32品種中28品種であった。K/(Ca+Mg)当量比が2.2を超えた品種数は子実型,兼用型,ソルゴー型ソルガム品種では,32品種中6品種であったが,スーダン型ソルガム,スーダングラス品種では,32品種中26品種であった。スーダン型ソルガム,スーダングラス品種のうちNO_3-N濃度が0.2%以下でK/(Ca+Mg)当量比が2.2以下の品種は"東山交32号","T122"および"HSK1"であった。養分濃度および吸収量が高かった品種は,スーダン型ソルガムおよびスーダングラスに属する未出穂タイプの極晩生種"SS701","ロールキング"および"PC3079"であった。
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