天北地方の草地で頻発する干ばつへの対策技術に寄与するために干ばつリスクを試算し,そのマップ化を試みた。干ばつ日数を「土壌表層における有効水分量が0になった日数」と定義し,土壌物理性と降水量のデータから5月以降8月20日まで経時的に有効水分量を試算し, 2000-2009年を対象にチモシー2番草の生育期間における干ばつ日数を試算した。干ばつリスクは「干ばつ日数が20日を上回る確率」と定義し,それぞれGISソフトを用いてマップ化した。干ばつ日数および干ばつリスクは天北地方内でも地域差が認められ,近接する地点でも土壌によって大きく異なった。本試験で試算した干ばつ日数は実際の2番草の乾物収量に対し高い寄与率を示したことから,本リスクマップの現地における高い適合性が示唆された。
乾草,配合飼料および大豆粕のそれぞれを乾物比で84,13,3%の割合で与える飼料の0,13,18,24%(乾物割合)を粉砕タケで置き換えた4飼料処理区に維持期の黒毛和種繁殖成雌牛4頭を割り当てる試験を3期実施する,ユーデン方格法で飼養試験を実施した。粉砕タケの給与割合を高めると,可消化養分総量(TDN)摂取量と咀嚼時間は低下する傾向にあったが,どの処理区でも維持要求量の105%以上のTDN量を摂取でき,ウシの第一胃機能維持に必要な咀嚼時間も確保できた。また,第一胃液および血液の性状にどの区にも問題は認められなかった。これらのことから,肉用種繁殖雌牛に与える飼料の24%まで粉砕タケを与えても,エネルギー摂取量,第一胃機能および栄養状態に問題ないことが示唆された。
近赤外分析法を用いて,ブラキアリアグラス(8品種,192点)の飼料成分について検量線を作成した。192点のサンプルのうち,128点のサンプルを検量線作成用試料,残りの64点を検定用試料とした。作成した検量線の精度は,相関係数(r),推定誤差の標準偏差(SDP)およびEI値を用いて評価を行った。部分最小二乗法(PLSR)における,水分,粗タンパク質(CP),粗繊維(CF),中性デタージェント繊維(NDFom),酸性デタージェント繊維(ADFom),酸性デタージェントリグニン(ADL)および乾物消化率(IVDMD)のrは0.91-0.99と高く,SDPについては,0.25-2.38と低かった。また,EI値については,水分およびCPについてAランク,その他の成分についてはBランクと良好な結果が得られた。以上のことより,ブラキアリアグラスの飼料成分およびIVDMDについて,近赤外分析法にて迅速かつ精度高く推定できる結果となった。