日本短角種は高い放牧適性と泌乳能力を有する和牛品種であり,子牛は親子放牧で飼養される。しかし,親子放牧の期間,子牛は放牧草と母乳だけで発育能力を最大限に発揮できているかは不明である。一方,ビール粕は地域のビール醸造所で入手でき,サイレージの発酵品質と家畜の嗜好性に優れるエコフィードである。そこで,本研究では,日本短角種親子放牧の子牛におけるクリープフィーディングでのビール粕サイレージの利用性,採食量,および発育への影響について明らかにすることを目的とし,試験を行った。
その結果,日本短角種の子牛は放牧草と母乳だけでは発育能力の最大限には達していないこと,ビール粕サイレージをクリープフィーディングにより給与すると良好に採食すること,給与により増体と骨格の発育が向上することが明らかとなった。