日本草地学会誌
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63 巻, 1 号
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研究報告
  • 川原田 直也, 中西 幸峰, 出岡 裕哉, 田畑 茂樹, 中山 幸則, 大西 順平
    2017 年 63 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2017/04/15
    公開日: 2017/05/08
    ジャーナル オープンアクセス

    飼料イネと飼料コムギを組み合せた二毛作において,麦立毛間への不耕起V溝直播機を用いた飼料イネ播種による麦立毛間体系について適正な作業条件を明らかにし,実証試験により作業時間を慣行移植体系と比較した。麦立毛間体系では,麦踏みを1回実施し,2月中旬以降から飼料コムギ止葉抽出始期までに飼料イネ播種を実施することで,飼料イネ苗立ち数が向上し,飼料コムギの減収を最小限に留め,飼料イネと飼料コムギ合計乾物収量を確保することができた。また,麦立毛間体系を慣行移植体系と比較した結果,作業が競合する5-6月のha当たり延作業時間は前者で28.7時間であるのに対して,後者で5.9時間となり,麦立毛間体系の導入が大幅な作業時間の削減につながること,および合計全刈り乾物収量は24.7t/haとなり,麦立毛間体系でも慣行体系と同等の収量が得られることが示された。

  • 北川 美弥, 中神 弘詞, 平野 清
    2017 年 63 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2017/04/15
    公開日: 2017/05/08
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は,関東甲信越地方において公共牧場に預託された牛の放牧期間を延長するため,10月中旬から12月中旬の晩秋期において放牧利用に適した草種・品種に関する基礎的知見を得ることである。このため,オオムギとライムギ各1品種とエンバクとイタリアンライグラス各2品種を,標高320mと1000mの2地域で8-9月にかけて播種し,晩秋期における草量の推移を比較した。両地域ともにライムギ(品種:ライ太郎)の草量が最も高かった。標高1000m地点では,8月下旬に播種した供試草種・品種のうち3草種4品種で10月中旬の草量は100gDM/m2以上に達し,標高320m地点では播種時期にかかわらず10月中旬の草量は全草種・品種で35gDM/m2以下と低いため,放牧開始時期を遅らせる必要があると考えられた。

  • 中神 弘詞, 北川 美弥, 平野 清
    2017 年 63 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 2017/04/15
    公開日: 2017/05/08
    ジャーナル オープンアクセス

    秋冬季の放牧期間延長を目的とし,草種および播種時期の選択や放牧計画策定に利用するために,晩夏から初秋に播種したエンバク,ライムギおよびイタリアンライグラスの生産量予測モデルを構築した。各草種の生長曲線の推定にあたり,初期生育を調査した圃場試験と,飼料作物奨励品種選定試験等が整理されたデータベースのデータを用い,播種日気温を共変量として使用し,その播種日気温は年平均気温と播種日の重回帰式から導出した。構築したモデルは播種後日数および播種日気温に対する実測値の全体的な傾向を概ね再現し,未知の独立データに対して安定した予測値を返した。このモデルを用いることで,任意の地域で生産量が最大となる草種や播種時期を選定でき,放牧計画の策定に活用しうる生産量が推定できる。

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