我が国のホールクロップサイレージ用トウモロコシの単収は頭打ち傾向にあり,単収向上のためには,各栽培条件で得られる潜在的な単収水準を予測し,その水準に向けて栽培法の改善を行うことが望ましい。本研究では,各県の奨励品種決定試験等のデータと,各試験地の直近のアメダス観測地点から得た気象データを用いて,トウモロコシ3品種の黄熟期乾物収量を予測するニューラルネットワークモデルを開発した。このモデルにおける乾物収量の推定値と実測値の間の相関係数は0.556で0.1%水準で有意となり,平均平方二乗誤差RMSEは460.2 kg/10 aとなった。また,このモデルを用いて,東北から九州までの地域でトウモロコシ品種「タカネスター」を栽培した場合の収量予測マップを作成し,生産力の比較を行った。