リードカナリーグラス (RCG) の生育にともなう茎部, 葉部及び鞘部の乾物重量からそれらの構成比率の変化を調べ, 各部位ごとの成分組成及び消化率を調べた。乾物収量 (DMY) は, 1番草では5月中旬以降, 急速に増加したが, 特に茎部重の増加が顕著であった。2番草のDMYも直線的に増加したが, 収量の主体は葉部が中心であり, 茎部の割合は最大でも30%であった。粗蛋白質収量 (CPY) は, 1番草では, 6月中旬の刈り取り時に最大となり, 102 g/m^2であった。2番草では, 7月下旬に最大となったが, 1番草に比較すると, CPYは30%程度であった。可消化乾物収量 (DDY) は, 1番草では, 5月中旬には葉部が102 g/m^2であったが, 6月には170 g/m^2まで増加した。また茎部及び鞘部のDDYは, 6月には, それぞれ170 g/m^2及び100 g/m^2となり, 5月中旬以降に顕著な増加が認められた。しかしDDYは, 葉部の割合が低下するにつれて減少した。2番草では, 生育の進行にともない各部のDDYは増加したが, 1番草の場合よりも少なかった。以上のことから, RCG1番草では, DMYは出穂期に最大となるが, 茎部の割合が高いためCPY及びDDYは出穂前期よりも低くなることが認められた。
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