日本草地学会誌

表紙

原稿種別: 表紙
1978 年 23 巻 4 号 p. Cover13-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.Cover13

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目次

原稿種別: 表紙
1978 年 23 巻 4 号 p. Cover14-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.Cover14

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会告

原稿種別: 付録等
1978 年 23 巻 4 号 p. App8-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.App8

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賛助会員名簿

原稿種別: 付録等
1978 年 23 巻 4 号 p. App9-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.App9

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日長時間・気温・日射量およびこれらの要因の相互作用が主たる寒地型牧草の生育におよぼす影響

窪田文武, 安達篤

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 271-279
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.271

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気象要因(日長時間,気温,日射量)およびこれらの要因の相互作用が寒地型牧草4草種(オーチャードグラス,チモシー,トールフェスクおよびペレニアルライグラス)の乾物生産におよぼす影響を草種間比較の視点から検討した。また,4草種の中では,最も気象反応が鋭敏であったチモシーについて,日長反応の品種間差を検討した。主たる結果を以下にのべる。1.各乾物生産要因の気象条件(気温,日長時間,日射量を組み合わせた条件)に対する反応(一般気象反応性)をFINLAY & WILKINSONの回帰解析法によって検討した(第1図)。T/R比の一般気象反応性は,Ti(チモシー)=Pr(ペレニアルライグラス)>Or(オーチャードグラス)=Tf(トールフェスク)であり,チモシーとペレニアルライグラスにおいて顕著に示された。他の乾物生産要因の一般気象反応性は,草丈では,Ti=Or>Pr=Or=Tf,茎数では,Pr>Ti=Or=Tf,SLAでは,Ti>Pr=Or=Tf,個葉の光合成速度では,Ti=Pr>Or>Tfであった。また,個体の乾物重の反応は,4草種ともほぼ同一の傾向にあった。全般的にみて,4草種の中では,チモシーとペレニアルライグラスの一般気象反応性が大きく,次いで,オーチャードグラスであり,トールフェスクは最も小さかった。2.4草種の各乾物生産要因の一般気象反応性の差異が単一の気象要因の支配(単独要因効果)によるか,あるいは,気象要因間の相互作用(相互作用効果)によるかを解析した(第2図)。日長時間に対する反応は,チモシーで大きく,トールフェスクで小さかった。乾物生産要因の中では,4草種とも,茎数が日長時間の単独効果あるいは日長時間と他の気象要因(日射量,気温)との相互作用効果を強く受けることが示された。日射量に対する反応傾向には,4草種間で大きな差異が示されなかった。気温に対する反応は,チモシーにおいて若干強く示された。一般気象反応性は,チモシーとペレニアルライドグラスの2草種において顕著に示された。チモシーの一般気象反応性が大きかったのは,主に,日長時間に対する反応が大きかったことに起因するのに対して,ペレニアルライグラスでは,3気象要因に均等に反応した相加効果に起因して,一般気象反応性が強く示されたものと判断された。3.各草種の気象反応特性を比較した結果,チモシーのような気象反応特性を持つ草種は,高緯度地帯,越冬条件が厳しい地帯に適する草種であり,ペレニアルライグラスは,おだやかな気象条件下(気象の季節的変化が少ない条件下)で効率的な生産を示す気象反応特性を持つ草種であることが裏付けられた。トールフェスクは,日長反応が鈍い草種であるので,高緯度から低緯度まで広い範囲に適する可能性があることが示された。オーチャードグラスは,チモシーとペレニアルライグラスの適地の中間的な気象条件の地帯に適する草種であると考えられた。4.チモシーのT/R比の日長反応には,品種間でかなり大きな差異が示された(第3図)。T/R比は,長日(18時間)条件下で増加する傾向を示したが,その増加率は,12時間日長条件下で,低いT/R比を示した品種において顕著であった。

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北海道根釧地方における1973年春の牧草の冬枯れについて : 数量化第I類による要因の探索

袴田共之, 能代昌雄, 平島利昭, 能勢公

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 280-288
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.280

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1973年春,北海道根室管内中標津町計根別を中心に多発した草地の冬枯れについて,49戸の農家から被害の大および小の草地をえらび実態調査をおこなった。データの解析には数量化第I類をもちい,外的基準Yを冬枯れ被害面積率にとり,要因項目X_iとして被害草種,微地形,積雪深,年間利用回数,最終利用時期,施肥量,土壌中有効成分などをとり,X_iによってYを説明し,被害の多少を左右する要因を明らかにしようとした。結果は,次のとおりであった。1.解析の精度は,重相関係数で最高0.866が得られ,ある程度の成功をおさめた。2。被害面積率に関与する要因は,第1に,被害草種および被害地微地形があげられ,オーチャードグラス,ラジノクローバおよびチモシーが被害を受けた場合,その程度が甚大であった。また,滞水などの水分条件が被害と密接に関係したと思われ,凹地にとどまらず凸地や傾斜地で被害を受けた場合にその程度が著しかった。3.第2には,土壌pH,土壌K,土壌Ca,土壌MgおよびP-K施肥量があげられた。草地の造成後の年数や秋の最終利用時期などは関係が少なかった。したがって,今回の冬枯れは従来の雪腐大粒菌核病とは異なったタイプのものであり,その実証的研究においては,草種,水分条件,塩基成分を中心とした施肥条件,および土壌pHなどを重視する必要がある。

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牧草の耐凍性に関する研究 : I.北海道根釧地方におけるイネ科牧草の凍害と雪腐大粒菌核病害

能代昌雄, 平島利昭

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 289-294
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.289

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根釧地方における牧草の凍害と雪腐病害の発生を確認するために,1974年秋〜1975年春に除雪および防除処理により越冬条件をコントロールし,翌春の冬枯れ状態を調査した。その結果,1)根雪後,積雪区の地表温度は0〜-5℃であったが,除雪区では-15〜-20℃まで冷却された。2)早春の冬枯れ程度はいずれの越冬処理においても,Pr>Or>Mf,Tf>Tiの順に高く,草種間差が明らかであった。Pr,Or,Mfについては寒冷なカナダで育成された品種は他品種よりも明らかに耐凍性が優った。3)越冬中の枯死株は,除雪条件では凍害によって増大し,積雪条件では雪腐病害によって増大した。4)以上のことから,当地方で発生するイネ科牧草の冬枯れは寡雪年では凍害,多雪年では雪腐病害の可能性が大きかった。

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牧草類の切穂の人工培養による種子の形成と発芽習性 : I.数種寒地型牧草における切穂の人工培養による種子形成の可能性

清水矩宏

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 295-300
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.295

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ペレニアライグラス(Colac),イタリアンライグラス(ナスヒカリ)およびオーチャードグラス(アオナミ)について,切穂の人工培養における種子形成と得られた種子の発芽習性を調べた。結果は次のとおりである。1.いずれの草種においても,開花直前の切穂を培養することによって,長期間にわたって吸水が維持され,稔実種子が得られた。2.切穂の止葉の有無および培養液へのシュークロース添加の影響を調べたところ,いずれの草種においても,止葉つきおよびシュークロース添加は種子形成に対し,有効に作用し,自然登熟種子とほぼ同程度の重さの種子を得ることができた。3.いずれの草種でも,切穂の培養で得られた種子は自然登熟種子と同様の温度に依存した明発芽性,prechillingに対する顕著な反応を示した。4.いずれの草種でも,止葉つき・シュークロース添加条件で培養した場合,種子重は自然登熟の場合に比較して,約1〜2週間早く最高に達し,種子形成がはやくなる傾向がみられた。

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チモシー斑点病菌(Cladosporium phlei DEVRIES)の感染によるチモシー葉中のパーオキシダーゼの変動について

美濃羊輔, 小原由美子

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 301-306
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.301

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本実験においてチモシー斑点病菌(Cladosporium phlei DEVRIES)の感染によるチモシー葉中のパーオキシダーゼの変化が調べられた。健全葉および感染葉から,SP-Sephadex C-50およびDEAE-Sephadex A-50カラムクロマトグラフィにより,4つのパーオキシダーゼ画分(P-1a,P-1b,P-2およびP-3)が分離された。本菌の感染により,P-1a,P-1bおよびP-3は著しく増加したが,P-2はほとんど変化しなかった。P-1a,P-1b,P-2とP-3の至適pHはそれぞれ5.5,6.0,5.5と5.0であった。ディスク電気泳動により健全葉中から10の,感染葉中から12のパーオキシダーゼ活性が分離された。調べられた基質のうち,P-1aによっていくつかのフェノール誘導体および芳香族アミンが過酸化水素水の存在下に酸化された。

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クズの群落構造に関する研究 : 第4報根群の発達程度の異なる発根節や株の分布様式

津川兵衛, 佳山良正

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 307-311
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.307

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クズ群落の維持機構を明らかにするために,よく発達した自然群落における発根節や株の分布様式を調べた。本調査に供した区画では最高R-VIIの根群をもつ株が存在した。根群の階級の高い発根節や株ほど個数は減少した。R-IあるいはR-IIの根群をもつ発根節,R-IIIの根群をもつ発根節・株はいずれも小集団よりなる集中分布を示した。それらの単位集団の大きさは400/256m^2以下であった。R-IVあるいはR-V以上の根群をもつ株は機会ないし一様分布を示した。

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オーチャードグラス個体群における個体の生長と枯死 : I.個体間相互作用に及ぼす発芽時期の影響

寺井謙次, 神田巳季男

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 312-318
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.312

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人工草地における牧草の株数減少,茎数の変化の両側面と生産性との関係を明らかにするために,オーチャードグラス実験個体群を用いて,生長の個体変異に及ぼす個体密度と各個体の発芽時期の影響を調べた。各個体が近接して生育した場合,生長の個体間変異をもたらす要因として,発芽時期のずれは,そのうちの大きな要因であることが示され,早く発芽した個体の隣接個体に対する抑圧的影響が顕著に認められた。個体別生育日数と個体重との間には,密度とは無関係に高い相関が得られ,両者の回帰係数は生育の経過につれて高密度個体群では若干の変動があったのに対して,低密度個体群では次第にその値が小さくなり,発芽時期の差に基づく生長の個体間変異は,個体群が高密度である程大きいことが示された。初期生育期間,高密度個体群内に弱小・被圧個体が生じる一因として発芽時期があり,これが枯死個体の発生と密接に結びついているものと考えられる。

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オーチャードグラス個体群における個体の生長と枯死 : II.雑草の侵入とオーチャードグラス個体の分げつ数の減少

寺井謙次, 神田巳季男

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 319-324
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.319

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前報と同様に,オーチャードグラス実験個体群を用いて,生長の個体変異に及ぼす個体密度と播種時期の影響を,雑草との相互関係のもとで調べた。オーチャードグラス個体群の生長は,播種時期がおくれるほど著しく劣り,特に低密度個体群では雑草害による生育阻害が時間の経過とともに顕著になった。個体群を構成している各個体は,雑草の密度と生長量の増大にたいして茎数を減少させ,これによって各個体重は茎数に高く依存し,種間の相互関係のもとでも横方向への増数的な生長に高い可塑性が認められた。その結果,オーチャードグラス個体群の単位面積当り茎数と主要雑草(メヒシバDigitaria adscendens)の単位面積当り個体数との間には,時間の経過にともない高い負の相関(0.1%水準)が得られた。種内,種間関係とは無関係に,各個体の形態的可塑性は主として茎数変化に基くことから,与えられた環境容量のもとで,個体群内では個体(株)数の調節に先行して各shootに対しても調節のなされている可能性が示唆された。

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放牧牛群の食草時におけるSpatial Pattern : III.草生の影響

佐藤衆介, 伊藤巌, 林兼六

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 325-329
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.325

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放牧牛群の食草時におけるspatial patternに及ぼす草生条件-草量,連続放牧に伴なう草生悪化,草の分布-の影響を調査した。草量の影響は,牧草現存量の違う牧区に放牧した場合の牛群のspatial patternから調査した。草生状態悪化の影響は,連続放牧下での牛群のspatial patternの変化から調査した。草の分布の影響は,嗜好性の異なる4草種をそれぞれ単播にし,2aづつ二連制に配列した混合草地の牧区とオーチャードグラス単一草地の牧区とへの放牧におけるspatial patternの比較から検討した。spatial patternの調査方法は,前報およびMORISHITAの方法を使った。結果はつぎのとおりであった。1)草量の影響は刈り取り直後の草地,すなわち草量が極端に少なく,草の分布がまばらな草地,への放牧でのみ観察され,牛群は散開化した。2)滞牧日数の経過に伴ない放牧牛群は徐々に散開化し,ある点を越えて滞牧させると再び集結化した。3)単一草地での放牧に比べて混合草地での放牧で,放牧牛群は散開化した。

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放牧牛群の食草時におけるSpatial pattern : IV.食欲および吸血昆虫の影響

佐藤衆介, 伊藤巌, 林兼六

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 330-333
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.330

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前報で放牧牛群の食草時におけるspatial patternの季節変化を報告したが,その要因の1つに食欲の違いが考えられた。そこで本報では各季節における放牧牛群のspatial patternに及ぼす食欲要因の影響を検討することを目的とした。食欲要因として,絶食後の行動を各季節について調査し,さらに夏季には吸血昆虫の存在の影響をも調査し,食欲要因との関係について論じた。得られた結果は次のとおりであった。1)春季では,実験小牛群のspatial patternは絶食後の放牧で有意に散開的になった(P<0.005)。夏季および秋季では,コントロールの放牧と同じspatial patternを示した。2)春季では,実用牛群(泌乳牛群)のspatial paternも絶食後の放牧で散開的になった(P<0.1)。3)夏季では,実験小牛群のspatial patternは殺虫剤および忌避剤を牛体に散布することで散開的になった(P<0.1およびP<0.05)。

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牧草のマグネシウム吸収に及ぼすマグネシウムとりん酸の施用効果

野村忠弘

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 334-341
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.334

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オーチャードグラスのMg濃度と乾物生産に及ぼすMgとPの施用効果について試験を行なった。供試土壌は置換性Mg含量の少ない火山灰土壌である。結果の概要は次のとおりであった。1.牧草のMg濃度はMg施用量の増加にともない有意の相関で上昇した。しかし低温時に生育する牧草のMg濃度はMgの増施によって増加せず,低い濃度にとどまっていた。グラステタニー防止の面からみたADAMSの推奨値(DM中Mgとして0.22%)が適当であるとするならば,この値を確保するための安全施用量は本供試土壌では年間10kg MgO/10a,置換性Mg含量は8mg/100gに保つことが必要であると思われた。また,実際の栽培条件下で得られる最大値に近いMg濃度の牧草を得るためには置換性Mg含量を15mg/100g以上に維持することが必要であると判断された。2.牧草のMg濃度はP施用量が増加するにつれて低下することが認められた。P_2O_5/MgO施用比は牧草のMg濃度と密接な関係があり,この比が小さくなるにつれて牧草のMg濃度は増加した。この比の適当な範囲は2/1〜1/1であると考えられた。3.Mg施用に対する牧草の増収反応はMg無施用区に対して明らかに認められるが,本供試土壌では5kg MgO/10a以上の施用は有意な増収効果をもたらさなかった。置換性Mg含量が5mg/100g以上の場合,施用Mgに対する増収効果は期待出来ないものと考えられた。

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空知地方における寒地型イネ科牧草の季節別の栄養価および牧草と糞の密度との関連について

石栗敏機

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 342-347
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.342

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空知地方で寒地型イネ科牧草3草種を用いて年間3から5回刈取りを行い,めん羊による消化試験から栄養価を,また,牧草と糞の密度を測定してこれらの関連も調べた。1.1番草の出穂期以前や秋の最終刈取りの番草と比較して,夏期間の再生草は,CW,CCの消化率が低く,リグニン,ケイ酸含有率が高く,栄養価が低かった。2.季節別のCW,CCの消化率,可消化量,不消化量およびDDMと化学成分との相関では前報の新得での結果とおおむね一致した。3.季節別のCWとCCの可消化量および不消化量とDDMとの相関では,各季節,全体ともに不消化量とは負の,また,可消化CC量とは正の有意な相関が得られ,可消化CW量では夏にのみ有意な正の相関が得られた。4.再生草および糞中のCW含有率とそれぞれの密度との間には有意な負の相関が得られ,また,牧草の乾物消化率が低下すると糞の密度も低下した。

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えん麦の品種・刈取時期とホールクロップサイレージの飼料価値について

岩崎薫, 名久井忠, 早川政市, 玉田信政

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 348-355
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.348

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ホールクロップ飼料として,えん麦の飼料特性を明らかにする目的で試験を行なった。(1)乾物率は子実の登熟と共に7月下旬から急激な増加を示し,1日あたり0.7〜0.9%づつ増加した。粗蛋白含量は6月下旬の栄養生長期には20%以上であるが,8月中・下旬の糊熟〜完熟期にはおよそ1/3程度に低下した。糊熟〜完熟期におけるでんぷん含量は15〜20%であった。ADF含量は乳熟期頃まで増加するが,それ以降,除々に減少した。(2)セルラーゼによる茎のEDMDの経時変化は,7月下旬まで一直線に低下し,その後8月中旬まで横ばい状態を保ち,8月下旬には再度低下する型をたどって推移した(3)ホールクロップサイレージの栄養価は刈取時期の間に差がなかったが,茎葉サイレージは熟期が進むとともに直線的に低下した。(4)ホールクロップサイレージの栄養収量について品種間の比較を行なった結果,最大値を示した糊熟期のTDN収量はホナミが406kg,オホーツクが394kg,モイワが386kgであった。一方,可消化でんぷん収量はモイワが147kg,オホーツクが126kg,ホナミが97kgであった。以上の結果から,十勝地方におけるホールクロップ飼料としてのえん麦の品種はオホーツク,刈取時期は糊熟後期が適しているものと考える。

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マメ科牧草根における共生窒素固定能の分布

吉田重方, 窪田拓男, 佳山良正

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 356-358
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.356

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マメ科野草木の共生窒素固定能の調査

吉田重方

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 359-361
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.359

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本邦草地の無機栄養および牧草の無機品質に関する諸問題 : 2.カルシウム,マグネシウムおよびナトリウムについて

高橋達児

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 362-369
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.362

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I.組織・行事・議事(第13回国際草地会議報告)

真木芳助

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 370-371
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.370

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II.研究報告の概観(第13回国際草地会議報告)

真木芳助

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 371-372
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.371

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部門1 牧草生産の生理生態(第13回国際草地会議報告)

星野正生

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 372-373
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.372

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部門2 育種と採種(第13回国際草地会議報告)

真木芳助

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 373-374
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.373

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部門3 草地の生態(第13回国際草地会議報告)

星野正生

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 374-375
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.374

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部門4 ツンドラ及び山地帯の草地造成と高度利用(第13回国際草地会議報告)

広田秀憲

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 375-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.375_1

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部門5 乾燥地帯における草地改良(第13回国際草地会議報告)

星野正生

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 375-376
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.375_2

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部門6 草地の集約利用(第13回国際草地会議報告)

広田秀憲

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 376-377
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.376

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部門7 草地施肥及び水利(第13回国際草地会議報告)

大原久友

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 377-381
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.377

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部門8 病害,有害植物の防除(第13回国際草地会議報告)

星野正生

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 381-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.381_1

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部門9 牧草貯蔵の生物学的基礎及び技術(第13回国際草地会議報告)

大原久友

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 381-382
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.381_2

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部門10 飼料作物の品質と評価(第13回国際草地会議報告)

広田秀憲

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 382-383
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.382

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III.現地検討会(第13回国際草地会議報告)

広田秀憲

原稿種別: 本文
1978 年 23 巻 4 号 p. 384-385
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.384

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学会記事

原稿種別: 付録等
1978 年 23 巻 4 号 p. 386-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.386

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編集委員等

原稿種別: 付録等
1978 年 23 巻 4 号 p. 387-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.387_1

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奥付

原稿種別: 付録等
1978 年 23 巻 4 号 p. 387-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.387_2

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日本草地学会誌投稿規定

原稿種別: 付録等
1978 年 23 巻 4 号 p. App10-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.App10

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日本草地学会誌第23巻総目次

原稿種別: 目次
1978 年 23 巻 4 号 p. i-iii
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.i

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Jounal of Japanese Society of Grassland Science Vol.23 Contents

原稿種別: 目次
1978 年 23 巻 4 号 p. iv-vii
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.iv

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著者索引

原稿種別: 索引
1978 年 23 巻 4 号 p. viii-ix
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.viii

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Index of Contributors

原稿種別: 索引
1978 年 23 巻 4 号 p. x-xii
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.x

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日本草地学会誌原稿作成要領

原稿種別: 付録等
1978 年 23 巻 4 号 p. App11-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.App11

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裏表紙

原稿種別: 表紙
1978 年 23 巻 4 号 p. Cover15-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.Cover15

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CONTENTS

原稿種別: 表紙
1978 年 23 巻 4 号 p. Cover16-
発行日: 1978/01/31
公開日: 2017/07/07

DOIhttps://doi.org/10.14941/grass.23.Cover16

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