イネホールタロップサイレージ(イネWCS)の飼料成分を簡易にしかも迅速に推定するため,近赤外分析のPLS法による検量線を作成し,その推定精度と実用性について検討した。イネWCS116点を供試し,その内訳は,検量線作成用に86点,検量線検定用に30点を用いた。作成した検量線では,粗タンパク質,乾物,粗灰分,細胞壁物質(OCW),細胞内容物質(OCC),および低消化性繊維(Ob)の成分において,化学分析値(LAB値)と近赤外分析法による推定値(NIRS値)との相関係数が0.98〜0.99と高かった。検量線による推定精度は,高消化性繊維(Oa)を除いて,NIRS値とLAB値の相関が高く,推定誤差の標準偏差が小さく,精度は高かった。以上の結果,近赤外分析法によるイネWCSの成分分析は,実用的な場面における分析法として利用できるものと考えられる。
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