日本草地学会誌
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26 巻, 3 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1980 年26 巻3 号 p. Cover9-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 表紙
    1980 年26 巻3 号 p. Cover10-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1980 年26 巻3 号 p. App6-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1980 年26 巻3 号 p. App7-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 湯本 節三, 島本 義也, 津田 周彌
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 243-250
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    チモシー種子の発芽特性に関する自生集団間の変異と集団の自生地の気候条件との関連を明らかにする目的で本試験を行った。北海道内各地より収集した自生集団20系統と育成品種3系統の種子を用いて,10℃から30℃まで,5℃きざみの5段階の温度条件での発芽特性を調査した。各温度条件での発芽特性を最終発芽率,平均発芽日数および発芽斉一性で表示した。10℃での発芽斉一性を除くと,各特性値内の温度条件間および異なる特性値間には,有意に高い相関々係が認められた。これらの特性値に関する主成分分析の結果,自生集団は2群に類別された。第1群は日高山脈以西の北海道南西部から収集された集団よりなり,第2群は主に北海道東部の集団からなっていた。第1群は20℃で最大の最終発芽率を示したが,10℃と30℃では最終発芽率が低下した。一方,第2群は10℃から30℃までのいずれの温度条件でも,95%以上の最終発芽率を示した。第2群は第1群に比して,発芽率が高く,早く斉一な発芽をした。発芽特性に関して認められた自生集団間の差異と気候条件との関係を明らかにするため,各々の発芽の特性値を目的変数とし,集団の収集地点に最も近い測候所の月別平均気温と月別降水量を説明変数とする重回帰分析を行った。その結果,冬期の月別平均気温と月別降水量によって,発芽特性に関する集団間の変動の大半が説明されることが示された。育成品種は自生集団よりも早く斉一な発芽をしたが,温度条件に対する発芽特性の反応は自生集団の第2群と類似していた。
  • 阿部 二朗
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 251-254
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    世界各地より収集したオーチャードグラス24品種を供試して,幼植物の圃場越冬性検定を札幌で行った。越冬前草勢,出穂性,生存率の調査を行い,それらの形質より越冬性指数を算出して品種間の比較検討を試みた。試験地で育成された各品種の越冬性は優れ,試験地より厳寒な地である北欧,カナダ産品種と同水準であった。また,試験地より温暖な地で育成された品種では育成地の1月平均気温と越冬性指数の間には密接な関係が見られた。以上の結果より試験地より厳寒な地帯に適する品種の検定は困難であるが,試験地より温暖な地帯に適する品種の検定は可能であることが明らかとなった。
  • 阿部 二朗
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 255-258
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    北海道においては牧草の越冬性に関与している要因として,耐寒性は雪腐病抵抗性と共に大きな比重を占めている。オーチャードグラスの幼植物の耐寒性検定法を確立することを目的として24品種を供試して試験を実施した。発芽後3週間経過した幼植物を13日間のハードニング処理(3℃・8時間日長)した後,3水準の凍結処理(-14℃,-12℃,-10℃各16時間処理)を試みた。その後1ヶ月間温室で再生育させ,個体の生存率を調査した。その結果,-14℃処理では全個体枯死した。-12℃処理では北欧とカナダ産品種は半数前後の個体が生存したが,その他の品種は大きな被害を受けた。-10℃処理では北海道農試育成品種の生存率が40%前後を示し,品種間差異の検出も最も容易であった。以上の結果より,厳寒地を対象とした適品種選定と極強個体の選抜を目的とする場合には-12℃処理を用い,道央地帯向けの品種選定と劣弱個体の淘汰のためには-10℃処理を適用することが妥当と認められた。
  • 杉山 修一, 高橋 直秀, 後藤 寛治
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 259-266
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    主にヨーロッパ産のトールフェスク生態型19系統ならびにKentucky 31,ホクリョウの2品種を供試して,生理的,形態的形質を調査し,これら諸形質の変異と適応との関係を検討した。チュニジアの系統は,播種当年,短日条件が進んでも活発に生長し,多数の茎で出穂をみたが,越冬は極めて悪かった。9形質を用いて主成分分析を行なった結果,同一地域の系統は一群をなして分布し,草型,種子の大きさ,早晩性,季節生産性に関して,地域間にクライン的な変異がみられた。つまり,フランスやヨーロッパ・アルプスの標高1000m以下の系統から,イギリスの系統,リガリア地方の山岳地帯の系統,ヨーロッパ・アルプスの標高1000m以上の系統になるにつれ,1出穂茎重が重く,稈長が高い茎重型を示し,種子が小さくなって晩生化する傾向がみられた。
  • 門馬 栄秀, 鈴木 信治
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 267-272
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
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    本試験では,生長抑制剤の利用によって作物を短稈化し,倒伏を防いで採種量を向上させること,また生長抑制剤は採種関連形質に作用を及ぼす働きをもつものが多いことから,このような採種関連形質を通じて採種量を向上させること等を狙いとした。供試生長抑制剤はchlormequat (CCC),daminozide (SADH),ancymidolおよびdikegulacで,処理濃度・時期はともに2水準で,早期(3月11日),晩期(3月28日),低・高濃度(高濃度は低濃度の倍)である。短稈化に有効な生抑長制剤はdikegulacだけであった。穂数はCCCの早期処理およびdikegulacの高濃度処理によって増加したが,特に後者において,その効果は顕著であった。一穂粒重と一穂粒数はCCCの早期処理およびancymidolのいずれの処理によっても増加したが,特にancymidolの早期処理において顕著であった。それに対し,dikegulacの高濃度処理は両形質を著しく減少させた。千粒重と一穂小穂数は他形質に比較すれば生長抑制剤の影響を受けにくい形質であったが,dikegulacの晩期処理は千粒重を,また早期処理は一穂小穂数を著しく減少させた。小穂当たり粒数の生長抑制剤による影響は,一穂粒数の場合と殆ど同様であった。生長抑制剤は,このような採種関連形質に作用して採種量に影響し,CCCおよびancymidolの早期処理は採種量を向上させ,dikegulacは採種量を著しく低下させた。SADHの高濃度処理は一穂粒数を増加させることによって,採種量を若干増加させたが,その効果はCCCやancymidolよりずっと低かった。本試験の結果から,CCCとancymidol処理による採種量の向上は期待されるが,実用化には更に検討する必要がある。
  • 門馬 栄秀
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 273-279
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    供試品種は早・晩生2品種ずつで,途中刈時期は年内刈り(12/8),越冬後刈り(3/1),節間伸長開始前刈り(3/19,伸長前刈りと略す)および節間伸長開始後刈り(4/9,伸長後刈りと略す)の4時期である。すべての品種において,草丈と茎葉重は途中刈りによって滅少し,出穂・開花は伸長後刈りによって著しく遅れ,倒伏は伸長前・後刈りによって発生がおそくなった。早生品種は年内刈り,越冬後刈りでは一穂粒重は減少したが,穂数がかなり増加したため,採種量は年内刈りで増加,越冬後刈りで非常にわずかな減少を示した。伸長前刈りでは穂数,一穂粒重がともに減少したため採種量は著しく減少したが,伸長後刈りでは両形質とも増加傾向になり,採種量は若干回復した。ヤマアオバ(晩生)は年内刈りによって一穂粒重は減少したが,穂数が増加したため,採種量は無刈取りと殆ど同じであった。しかし,その後の刈取りでは両形質が低下したため採種量は漸減した。ナスヒカリ(晩生)の採種量は,無刈取りと刈取処理との間および刈取時期の間で殆ど差異がなく,明らかに他の品種と異なる様相を示した。本試験の結果より,早生品種の場合,年内から越冬後あまり日数を経ないうちの刈取りでは,増収するか減収してもわずかであり,越冬後刈りでは多少ではあるが倒伏を抑制し,青刈飼料を得ることができ,収穫時に余分な茎葉を少なくし,有効と判断される。ヤマアオバは途中刈りによる効果はあまり期待されないが,ナスヒカリは途中刈りによる採種量の減収が非常に小さく,青刈飼料も期待できることから,青刈,採種兼用に適した品種であると言える。
  • 佐藤 徳雄, 酒井 博, 藤原 勝見
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 280-284
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラスとアルファルファの混散播区と条播交互畦区を設け,播種時期の影響と苦土石灰の施用効果について検討するために圃場試験を行った。播種時期は8月中旬と9月上旬の2段階,苦土石灰の施用量はアール当たり30kgと0kgの2段階とし,2反覆で行った。結果:混散播区では播種時期と苦土石灰施用の相互作用が認められ,アルファルファの収量割合は8月中旬播きの苦土石灰施用区で高いが,条播交互畦区では畦内個体間競争の程度が混散播の場合よりも高まってアルファルファは小株化してしまうため,播種時期と苦土石灰の影響は顕著でなかった。したがって,オーチャードグラスとの混播で,アルファルファの個体の充実を図り,その収量割合を高く維持するためには,条播交互畦(条間20cm間隔,播幅5cm),よりも混散播の方がよいと結論された。更に,東北の山間地方ではオーチャードグラスの播種適期よりやや早めの8月中旬頃に,苦土石灰をアール当り30kg以上施用して散播するのが好ましいことは前報の結果と同様である。
  • 津川 兵衛, 佳山 良正
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 285-289
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    クズの群落構造を解明するための研究の一環として,1973年1月上旬から3月上旬にかけて,六甲山系南麓に位置する神戸市東灘区本山町北畑にあるクズ群落の200m^2区画内がらクズの越年茎を採取し,維管束環数の異なる越年茎の茎長割合ならびに越年茎の発根節数と非発根節数の割合を調べ,次のような結果を得た。本研究に用いた200m^2内の全越年茎の延べ茎長は149,542.5cmで,これらの越年茎は1環から7環までの茎からなっていた。1環から7環までの越年茎の茎長割合はそれぞれ48.33,37.03,11.72,2.14,0.69,0.03および0.06%であり,それらの越年茎の1m^2当りの茎長はそれぞれ361.4,276.9,87.7,16.0,5.2,0.2および0.4cmであった。3環以上の越年茎の茎長割合が特に小さいのは茎の生理的な老朽化,コウモリガ類の幼虫等による茎の食害および赤渋病や腐敗病等の病害によってそれらの茎が特に枯死しやすくなるためであると考えられる。全節数に対する発根節数の割合は1環の越年茎では7.12%と小さいが,茎の維管束環数の増加にともない次第に増大し,4環の越年茎では54.82%と最大に達した。また,発根節保有数では2環の越年茎が1,511個と最多で,第2位は3環の越年茎で806個,第3位は1環の越年茎で593個であることから,茎は古くなれば草冠の下方に沈み込むため接地する機会が増し,節根が発生しやすくなると思われる。1環の越年茎の発根節にはR-IまたはR-IIの根群をもつものがあり,2環の越年茎の発根節にはR-IないしR-IIIの根群をもつものが,3環から5環までの越年茎の発根節にはR-IないしR-IVの根群をもつものがあった。
  • 北村 征生, 西村 修一
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 290-296
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    Desmodium intortum cv. Greenleafについて,初期生育,窒素固定および窒素吸収におよぼすNH_4-N,NO_3-N,およびNH_4NO_3-N施肥の影響を人工気象条件下で調査した。乾物増収におよぼす窒素施肥量の影響は認められたが,窒素形態の影響は認められなかった。施肥量の増加にともない,全根粒の数と重さはNH_4-N施肥で増加したが,NO_3-Nでは好影響が認められなかった。また,施肥量の増加にともない,根粒の平均一粒重はNO_3-N施肥では増加し,NH_4-Nでは変化なかった。固定窒素を起源とする植物中の窒素量はNH_4-N施肥の増加とともに直線的に増加し,NO_3-N施肥では減少した。施肥窒素を起源とする植物中の窒素量は施肥量の増加とともに増加したが,形態別には次の順位で増大した。NO_3-N>NH_4NO_3-N>NH_4-N以上の結果より,この草の初期生育促進のためには,NH_4-Nが有効であることが明らかとなった。
  • 舘野 宏司, 飯田 克実
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 297-304
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    牧草の季節生産性を解明するために,イタリアンライグラスとオーチャードグラスを用いて,個葉光合成速度の季節変動と個葉のageingに伴う光合成速度の推移の実態を明らかにした。さらに,春季の光合成に及ぼす低温の影響についても検討した。実験は1975〜1977年の3ヵ年にわたって行った。1)個体の活動中心葉の個葉光合成速度は,越年生のイタリアンライグラスでは播種当年の秋季と翌春の3〜5月に高く,永年生のオーチャードグラスでは春季の4〜5月に最も高く,秋季の10〜11月にもやや高かった。2)イタリアンライグラスの冬季の暗呼吸速度は他の季節に比べ高い傾向がみられた。3)イタリアンライグラスの冬季の個葉光合成速度は測定前10日間の最低気温および平均気温と密接な関係を有し,オーチャードグラスでは春季の個葉光合成速度が測定前10日間の平均,最高および最低気温と有意な相関関係を示した。4)ageingに伴う個葉光合成速度の推移は,冬季には出葉展開後3〜5週間を経た葉の光合成速度が出葉展開後まもない葉よりも高く,光合成機能の老化は緩やかであった。春から夏にかけては,出葉展開後まもない葉の光合成速度が高かったけれども,その持続期間は比較的短かかった。5)着生葉位が上位の葉は,下位葉に比べて強光から弱光域まで高い光合成速度を示した。6)個葉光合成速度に及ぼす低温の後作用について検討した結果,-4℃から-6℃の低温処理(温度前歴8℃)では,両草種とも凍結傷害あるいは光合成機能に致命的な被害を受けること,-2℃の低温処理では,前歴が10℃の場合には光合成速度は2〜3日で原状に復したのに対し,前歴が15℃の場合には処理1週間後で20〜50%の回復にとどまることが認められた。
  • 山本 紳朗, 近藤 恒夫, 美濃 羊輔
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 305-310
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    デンプンを含有する飼料作物から,α-およびβ-アミラーゼを用いて全非構造性炭水化物(TNC)の抽出を試みた。試料として,トウモロコシ穀穂,アルファルファ根,ローズグラス葉鞘およびコーンスターチを用いた。非構造性炭水化物(NC)はβ-アミラーゼ(ダイズ種子起原)処理よりもα-アミラーゼ(Bacillus subtilis起原)処理により効果的に抽出された。α-アミラーゼ処理により,微量のキシロースがローズグラスの抽出液にのみ検出された。α-アミラーゼ処理をした抽出残渣にはいずれも微量のNCしか残存していなかった。これらの結果より,α-アミラーゼ処理は飼料作物からのTNCの抽出に有効であるとみなされた。
  • 増子 孝義, 久保田 誠, 松元 昭一, 三宅 佳孝, 淡谷 恭蔵
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 311-317
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    硝酸態窒素含量の高いイタリアンライグラスを材料とし,これに炭酸カルシウム,グルコースおよび尿素を添加してサイレージを調製し,添加剤の使用が埋蔵中の硝酸態窒素の消失ならびに発酵生産物の生成におよぼす影響を検討した。1.炭酸カルシウムと尿素を単独添加したものは,埋蔵中において硝酸態窒素が著しく消失し,埋蔵50日目の消失率は97.9〜100%であった。これらの発酵過程をみると,乳酸の生成量は少なく,アンモニアは埋蔵3日目から急速に生成され,それと同時にpHは高くなった。2.炭酸カルシウムとグルコースの併用およびグルコース単独添加では,埋蔵3日目まで硝酸態窒素の消失はみられたが,それ以後の消失は抑制された。しかし,いずれも乳酸が十分に生成され,アンモニアの生成が少なく,pHの低いサイレージであった。3.サイレージの品質と硝酸態窒素の消失率との関係については,明らかに低品質サイレージでは高い消失率を示し,良質サイレージでは硝酸態窒素の消失が少なかった。炭酸カルシウムとグルコースを併用すると,サイレージは良品質となり,グルコース単独添加よりも硝酸態窒素の消失は,わずかに高くなった。しかし,消失率は41%以下であった。
  • 萬田 富治, 高野 信雄
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 318-323
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    マメ科牧草サイレージの発酵程度および発酵品質とエストロジェン活性の関係を明らかにするために,開花期に刈取った1番草のラジノクローバ,アカクローバ,アルファルファの3草種を用いて,予乾,高水分,蟻酸0.6%添加サイレージを,それぞれ15℃と30℃の貯蔵温度で調製した。原料草とサイレージは凍結乾燥後,粉砕し乾物量で30%ずつ基礎飼料に混ぜて,23日令の去勢マウスに6日間与え,子宮重量反応法によってエストロジェン活性を測定した。ラジノクローバとアカクローバサイレージのエストロジェン活性はいずれの調製条件下でも変化しなかった。サイレージ発酵によってエストロジェン活性が増加したアルファルファサイレージは,15℃と30℃で貯蔵した高水分サイレージと30℃で貯蔵した予乾サイレージの3種類で,高水分サイレージの活性の増加率は15℃貯蔵よりも30℃貯蔵のほうが高かった。15℃と30℃で貯蔵した蟻酸添加サイレージと,15℃で貯蔵した予乾サイレージの発酵程度は低く,エストロジェン活性も原料草と差がなかった。アルファルファの予乾,高水分,蟻酸添加の各サイレージのエストロジェン活性をdiethylstilbestrol (DES)の力価に換算して表わすと,乾物100gあたり原料草が1.42μgであったのに対し,15℃貯蔵では1.44,1.81,1.56μg,30℃貯蔵では1.92,2.67,1.39μgを示し,アルファルファでは発酵程度の高いサイレージほどエストロジェン活性が増加することが明らかにされた。
  • 石栗 敏機
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 324-329
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    春播きで造成した初年目は年間2回,2年目以降は1番草を6月下旬,2番草を8月上旬,3番草を10月中旬に刈取ることを目途に年間3回収穫した場合の飼料価値を5年目まで調べた。アルファルファをめん羊に飽食させて行った消化試験から乾物摂取量(自由採食量)も測定した。年次によって各番草の刈取月日や供試羊の品種,年令も異なったが,化学組成,消化率,可消化養分含量および自由採食量は,年次間,番草間で大きな違いがなかった。20点の平均でDCP:16%,TDN:59%,可消化エネルギー(DE):2.7kcal/gDM,自由採食量:84g/W^<0.75>,DE摂取量230kcal/W^<0.75>,NVI:64であった。自由採食量が多かった要因として,自由採食量=乾物排泄量/乾物の不消化率の関係で乾物排泄量が33g/W^<0.75>と多かったこと,可消化細胞壁物質は乾物中16%,可消化乾物中7割以上を可消化細胞内容物が占める牧草であることなどをあげた。自由採食量と有意な相関を示す化学成分,消化率および可消化養分含量はなく,自由採食量を実測する必要を認めた。
  • 山本 勝昭, 丸山 富美子
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 330-336
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    1番刈伸長期の高蛋白質イタリアンライグラス乾草(乾物中粗蛋白質含量27.8%)の摂取水準が消化率および窒素出納にいかなる影響をおよぼすか検討するため,体重当り乾物摂取量が0.7,1.4,2.1および2.8%からなる4区を設け,去勢雄山羊4頭を用いて4×4型ラテン方格法により消化試験を行い,さらに窒素出納を調べた。消化試験期間における体重は0.7%および1.4%区で減少し,2.1%および2.8%区で増加した。乾草のNFE,粗繊維,CW,セルロースおよびヘミセルロース消化率は摂取量が増加するにつれ,低下する傾向がみられた。しかし,乾物,粗蛋白質,粗脂肪およびADF消化率およびDCP,TD含量は1.4%区がもっとも高く,これ以上の摂取水準において摂取量が増加するにつれて低下する傾向がみられた。窒素出納は0.7%および1.4%区で負のバランスとなり,2.1%および2.8%区で正のバランスとなった。乾物摂取量に対する糞中窒素量の割合は0.7%区がもっとも高かった。粗蛋白質消化率(y_1)および粗繊維消化率(y_2)と体重当り乾物摂取量(x)の回帰式および相関係数は次のとおりであったy_1=74.23+9.01x-2.29x^2 r=0.983 y_2=90.34-1.43x r=-0.986これらのことから,高蛋白質の乾草においても,その消化率は摂取水準の影響を受けるものと考えられた。
  • 後藤 正和, 菅原 和夫, 林 兼六
    原稿種別: 本文
    1980 年26 巻3 号 p. 337-341
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    幼令造林地への牧草導入が放牧牛による林木の損傷に及ぼす影響を明らかにする目的で,2樹種(アカマツ・スギ)と2林床植生(牧草・野草)の組み合わせで4試験区を設定して,放牧試験を行った。放牧は,6月(春季)と8月(夏季)に,各区の現存量に対応して最終利用率が65%前後となるように行った。放牧牛による林木の損傷は,大きく蹄傷害(主幹折損・側枝折損・剥皮・ふみつけ),枯死,食害に分類した。(1)蹄傷害について蹄傷害発生率は,春季・夏季とも,両樹種で牧草区のほうが野草区のそれより高かった。特に,スギでは,牧・野草区それぞれの蹄傷害発生率は2季節の平均で29%,19%と,牧草区のほうが野草区をかなりうわまわった。これは,牧・野草区間の,草量に対応した滞牧日数の違い,すなわち牧草区のほうが野草区よりも放牧圧が強まった結果,牧草区の植栽木に蹄傷害が多発したものと考えられる。(2)食害について食害は,アカマツにおいてのみ発生し,スギでは全く発生しなかった。アカマツの食害発生率は,林床植生や放牧季節によって明らかに異なった。アカマツの食害は,野草区よりも牧草区で,また夏季よりも春季で多く発生した。春季放牧時に,牧草区でアカマツは特異的に食害を受け,その発生率は68.5%であった。春季の野草区,夏季の牧・野草区での食害発生率は3-10%であった。
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年26 巻3 号 p. 342-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 文献目録等
    1980 年26 巻3 号 p. 343-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年26 巻3 号 p. 344-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1980 年26 巻3 号 p. 344-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1980 年26 巻3 号 p. Cover11-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1980 年26 巻3 号 p. Cover12-
    発行日: 1980/10/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
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