ギニアグラス極晩生新品種「うーまく」は,降霜地域で1年生草として栽培した場合に,出穂せず高品質利用が可能なことから,既存草種からの置き換えが期待されている。本研究では,初期生育の劣る本品種を1年生草利用した際の播種密度が乾物収量および雑草抑制に及ぼす影響について,ローズグラス品種「カタンボラ」を対照として検討した。「うーまく」は調査した2年間とも1番草収穫時に出穂・倒伏しておらず,「カタンボラ」と同等またはそれ以上の乾物収量が得られた。雑草乾物重は「うーまく」が「カタンボラ」よりも有意に少なく(P<0.05),「カタンボラ」よりも雑草抑制効果が優れていた。さらに,播種密度2 kg/10 a以上では雑草割合が5%以下だったことから,雑草抑制の観点から播種密度は2 kg/10 a程度が推奨される。