地理学評論 Ser. A
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66 巻, 10 号
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  • 須山 聡
    1993 年 66 巻 10 号 p. 597-618
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,職人の地域的移動パターンの側面から輪島漆器の生産地域の拡大を考察することを目的とする.漆器関連事業所の分布は, 1960年代における輪島漆器業の発展に伴い拡大した.また1960年代には輪島漆器業の技能継承システムである徒弟制が変質し,漆器業とは無関係な出自をもつ労働力が広範囲から参入した.職人の移動をライフパスとして分析した結果,(1)家業継承者を主体とした,中心地域において滞留するパターン,(2)周辺・外縁地域出身で,中心地域で修業し,独立後周辺地域に移動するパターン,(3)中心地域出身で,独立後周辺地域に移動するパターン,が抽出された,輪島漆器の生産地域の拡大は,徒弟制の変質によって増加した漆器業とは無関係な出自をもつ,(2)および(3)のパターンに該当する職人が,良好な生産・居住環境を確保した結果生じたものである.同時に(1)のパターンは中心地域における漆器関連事業所の集積を継続させている.
  • 若本 啓子
    1993 年 66 巻 10 号 p. 619-638
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,岩手県滝沢村における酪農経営の飼料構造を分析し,飼料需給の地域的特性を解明することを課題とする.滝沢村の酪農家は飼料生産基盤と労働生産性によって, 4つの酪農経営に分類され,類型ごとに飼料調達に関して異なる選択を行なっていた.その結果,資本集約的大規模酪農経営と労働集約的酪農経営は,購入飼料に大きく依存する大都市近郊の酪農経営に類似した飼料構造を,土地利用型の大規模および中小規模酪農経営は,飼料自給率の高い飼料構造をもつことが判明した.滝沢村の飼料構造の地域的特性は,自然的条件が等質な山麓地帯内部で,経営耕地規模および酪農家間の結合関係の地域的差異に基づき,飼料構造の経営的分化が生じていることである.飼料需給についてみると,滝沢村で消費される酪農飼料の20-40%は酪農家の自給飼料生産によって,残り60-80%は購入によって調達される.流通飼料の供給は,酪農家と供給者との間に,良好な交通条件に基づいた長距離の結合関係と,村内で完結する結合関係とを成立させている.
  • 磯田 則彦
    1993 年 66 巻 10 号 p. 639-644
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1993 年 66 巻 10 号 p. 645-662
    発行日: 1993/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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