地理学評論 Ser. A
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74 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 岩間 信之
    2001 年 74 巻 3 号 p. 117-132
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,百貨店における取扱商品や併設施設の店舗間の差異に着目し,これらを定量的に分析することによって,百貨店の店舗特性と立地位置との関係を考察した.因子分析,クラスター分析の結果, 105の店舗は9類型に分類された.各類型の分布から,以下の点が明らかとなった.高次の中心商業地に立地する店舗は買回品へ専門化する傾向にあるが,郊外の店舗では最寄品の比重が相対的に高い.また,婦人服を指標として顧客の年齢構成と商品単価を考察したところ,都心に近づくにっれ顧客の年齢構成は若年化し,取扱商品は高級化する.さらに,郊外型の店舗は35km圏内ではショッピングセンター的な性格を有し, 36km以遠ではスーパーマーケットに類似する傾向がみられる.ま孝セクター間にも差異が存在し,買回品の卓越した店舗は南~北西郊に多く立地する.百貨店の店舗特性には,都心を核とした階層構造が確認された.
  • 梅田 克樹
    2001 年 74 巻 3 号 p. 133-157
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,愛知県みどり牛乳農協の組合員における酪農経営動向に地域的分化が生じた要因を,地域的機能組織の階層的構成に着目して検討した.分析の結果,多頭育化志向の強い組合員が半田市住吉地区に集中する反面,その他の地区では多頭育化志向が弱まる傾向にあった.その要因として, 4次の階層的構成をなす地域的機能組織の存在が挙げられた.その中で,多頭育化を牽引してきた半田市の組合員は,地域的機能組織が担うすべての事業において最小最適規模を達成し,集積の経済を獲得していた.ところが,その結果として知多郡部の第3次機能組織は過小規模に陥り,個別酪農経営の支持効果が著しく低下した.また,住吉地区においては,第2次機能組織である住吉酪農発展会が,技術革新や技術発展を創造する場として機能していた.このように,地域的機能組織による個別酪農経営の支持効果によって生じた地区間格差が,組合員の経営動向に地域的分化を生じさせていた.
  • 滕 艶
    2001 年 74 巻 3 号 p. 158-176
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,中国農村地域の小城鎮を対象とした研究に関するこれまでの成果を中国の国内研究を中心に整理し,本課題に関する研究の特色と動向を明らかにすることである.方法としては, 1980年代初頭から現在までの小城鎮に関する研究文献に,小城鎮開発をめぐる動向を加味し,中国の国内研究を中心に,時期別に整理する.そして,研究の内容と特色を考察し,小城鎮研究の問題点と今後の地理学的課題を提示する.
    考察の結果,小城鎮研究について時期区分をすることができた.また,小城鎮に関する概念の多様性,農村の都市化の役割,開発要因,町づくり研究ならびに政府各部門の共同研究,モデル鎮実験の研究などの動向と内容を明らかにした.今後の課題として,集落範囲と属性などに着目した小城鎮概念の整理,小城鎮における労働力資質とその教育の改善に関する研究ならびに中国全地域を対象とする小城鎮研究とその定量分析などの必要性を指摘した.
  • 2001 年 74 巻 3 号 p. i-xx,xxii_1
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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