地理学評論 Ser. A
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68 巻, 2 号
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  • 中谷 友樹
    1995 年 68 巻 2 号 p. 71-92
    発行日: 1995/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    空間単位の集計化が空間的相互作用モデルに対し及ぼす影響については,従来,集計単位の画定に関する定義問題が中心に論じられ,かっ,経験的データを用いた感度分析研究に限定されてきた.それに対し,本稿では,流動の距離逓減性を示す距離パラメターの集計バイアスを,空間単位間の距離の定義との関係において理論的に考察した.その結果,空間単位の集計化に伴う距離パラメターのバイアスは系統的な方向を示し,それは集計距離の定義(平均距離ないし平均移動距離)によって異なることが予想された.
    この予想を検討するために,1988(昭和63)年度の東京PT調査のデータによって, Huffモデルの空間単位集計化の感度分析を行ない,次のような結果を得た.(1)距離パラメターの集計バイアスの方向は,集計距離の定義,および流動の距離逓減傾向の強さによって異なり,それは理論的に期待される方向と一致した.(2)平均移動距離の利用は,適合度,距離パラメターのバイアスの小ささ,距離パラメターの各スケールでの代表性の各点で,平均距離を利用する場合に比べ優れていた.(3)集計空間単位の形のコンパクトさを考慮することが距離パラメターのスケール変化を小さくし,それは理論的にも解釈されうるものであった.
  • 1991年京都市議選の分析
    小長谷 一之
    1995 年 68 巻 2 号 p. 93-124
    発行日: 1995/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    政治学者や社会学者の多くは,投票行動の集計結果(投票率,得票率)に現われる地域差を,投票性向の異なる社会階層の居住構成が,地域ごとに異なることに帰着させてきた(構成主義的アプローチ).ところが,地理学者が行なってきた諸外国の研究事例では,地域差のなかで,構成主義理論によっては説明できない部分がかなりあることがわかっている.この説明未了の部分の大半は,近隣効果と呼ばれる地域文脈的効果によるものと考えられる.近隣効果の発見は,過去30年の選挙地理学の最大の成果の1つである.
    本稿では,京都市における1991年市議選の都市内地域における投票情報を分析し,次の3点を発見した.(1)有権者の階層構成の地域差は,投票率・得票率の地域差を説明できるほど大きくはない.(2)「地域別の投票率・得票率」は,地域ごとに変動し,その地域差パターンは構成主義モデルではほとんど説明できず,強い残差が残る(集計的近隣効果の存在).(3)「地域別かつ階層別の投票率・得票率」は,同じ階層について比較しても,地域ごとに変動し(非集計的近隣効果の存在),その地域差パターンは階層によらず,「地域別の投票率・得票率」の地域差パターンに類似する.この3つの現象は,普遍性をもち,たがいに密接に結びついていることがわかった.
  • 高野 史男
    1995 年 68 巻 2 号 p. 125-129,133
    発行日: 1995/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 68 巻 2 号 p. 132
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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