Lowryモデル (Lowry, 1964) に端を発する都市モデル研究は,従来の都市群システム研究に対して,システムとしての都市の解明を可能とするものである.本稿では, Lowryモデル族の中で最も代表的な活動一配分モデルを,日本最大の自動車生産地域である豊田市域に適用することにより,このモデル族が,現実の都市システムを演繹的にいかに記述・説明するかを,都市内部システムの視点から明らかにしようとした.さらに,近年,空間的相互作用モデル研究にみられた距離パラメータの“地図パターン”への影響を除去するFotheringham (1983 a) の競合着地モデルを活動一配分モデルにとりいれ,モデルの修正を行なった.その結果,通常のモデルによる,活動の周辺地域での過小評価ないし中心部での過大評価が緩和され,修正モデルの妥当性が実証された.
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