本稿は,広域中心都市に支店が集積する要因を把握するために,仙台市の支店従業者が自企業内外の機関との間で行なう接触行動について分析したものである.分析の結果は以下のとおりである.
仙台市には東北6県全域をテリトリーとする支店が多く,それが仙台市の地方ブロック内における中心姓の上昇に寄与してきた.しかし,支店のテリトリーが東北6県全域に及んでも,支店従業者の接触行動は著しく仙台市に集中していることが明らかとなった.これは,仙台支店とその出先機関との担当エリアの分担もあるが,仙台市の需要量が大きく,営業活動を同市に集中させているたあである.また,仙台市の需要量の大きさは同市の最終需要の大きさもさることながら,広域的に事業を犀開している地元企業がもたらす需要によるところが大きい.他方,東北地方外の他企業との接触は著しく少ない.自企業内の機関との接触では東京本社との接触が最も強い.
一般に,支店集積の要因の1つと考えられる対事業所サービス業の利用は,貨物・宅配業などの一部のサービス業を除き全体的に少なく,対事業所サービス業の集積が支店立地の主要因とはみなし得ない.
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