地理学評論 Ser. A
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67 巻, 7 号
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  • 田林 明
    1994 年 67 巻 7 号 p. 437-460
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本報告では富山県東部の黒部川扇状地において, 1948年から1991年までの44年間にチューリップ球根栽培を行なったことのあるすべての農家を取り上げ,その分布変化から球根栽培地域の形成過程を明らかにし,さらに形成の諸条件を考察した.その結果, 1950年代にはいくつかの特定の集落から栽培が周辺に拡大し,そして1960年代以降再びその集落あるいは近辺に後退したことがわかった. 1950年代中頃までにチューリップ球根栽培が盛んになった地域が,現在でも核心となっている.また,球根栽培の分布域と,旧町村をいくつか統合した範囲が対応していた.チューリップ球根栽培地域の形成条件としては,気候や土:壌などの自然条件とともに,富山県花卉球根農業協同組合の役割,他の農業経営部門や農外就業との関係,先覚者や指導者,地域組織の存在,行政からの助成などが重要である.年齢や後継者の有無,技術水準など,栽培者の個人の属性も関係していた.
  • 池澤 裕和
    1994 年 67 巻 7 号 p. 461-482
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,広域中心都市に支店が集積する要因を把握するために,仙台市の支店従業者が自企業内外の機関との間で行なう接触行動について分析したものである.分析の結果は以下のとおりである.
    仙台市には東北6県全域をテリトリーとする支店が多く,それが仙台市の地方ブロック内における中心姓の上昇に寄与してきた.しかし,支店のテリトリーが東北6県全域に及んでも,支店従業者の接触行動は著しく仙台市に集中していることが明らかとなった.これは,仙台支店とその出先機関との担当エリアの分担もあるが,仙台市の需要量が大きく,営業活動を同市に集中させているたあである.また,仙台市の需要量の大きさは同市の最終需要の大きさもさることながら,広域的に事業を犀開している地元企業がもたらす需要によるところが大きい.他方,東北地方外の他企業との接触は著しく少ない.自企業内の機関との接触では東京本社との接触が最も強い.
    一般に,支店集積の要因の1つと考えられる対事業所サービス業の利用は,貨物・宅配業などの一部のサービス業を除き全体的に少なく,対事業所サービス業の集積が支店立地の主要因とはみなし得ない.
  • 1994 年 67 巻 7 号 p. 483-484,501
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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