地理学評論 Ser. A
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64 巻, 1 号
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  • 西原 純
    1991 年 64 巻 1 号 p. 1-25
    発行日: 1991/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    先進資本主義国の都市群システムにおいては,企業の組織・活動の空間的構造が重要な構成要素となっている.本研究では,わが国の主要な74都市を対象として,企業の事業所網(本所一支所)の展開からみた都市群システムを分析した.
    その結果,東京を主とする3大都市企業や広域中心都市企業の事業所網の展開によって国家的・地方的都市群システムが形成されており,その空間的形態には,3大都市圏・周辺圏・地方圏という3地帯構造と3大都市・広域中心都市・県庁所在地都市という都市の階層構造が明瞭に現われていた.
    さらに企業の全国的展開では,3大都市に企業組織の頂点をなす本所が,中位階層をなす広域中心都市には広域的地方を管理・管轄する組織が,県庁所在地都市やさらに下位階層の地域には現業・生産部門が進出し,企業組織の空間的分化が階層構造をなして進行しており,それがわが国の都市・地域の階層形成の主たる要因となっている.
  • 林 正久
    1991 年 64 巻 1 号 p. 26-46
    発行日: 1991/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    テフラ,鉄津を指標とした沖積層の分析や微地形分類,風土記など歴史的資料の検討によって出雲平野の地形発達を考察した.完新世の海面高頂期は6,000~5,000y. B.P. で現海面上3~4m,水道状の内湾が形成され,島根半島が切り離された.3,600y.B.P.頃から2,700y. B. P. にかけての時期に,小海退がみられ,海面は-2m以下にあった.3,600y. B. P. に噴出した三瓶山の火砕流が大量の砂礫を供給し,海退期の内湾を急速に埋積し,その結果,半島は再び陸続きとなり,内湾は東西2つの潟湖に分離した.その後,海面は現在とほぼ等しくなり潟湖の埋積が続く.『出雲国風土記』の記す時代は潟湖埋積の一時期にあたる.当時は斐伊川が西流していたため,西の潟湖の方が速く埋積された.近世以降は鉄穴流しによる大量の土砂が宍道湖を急速に埋積するとともに,古い三角州面も埋積した,出雲平野はその形成に海面変動のほか,火砕流と鉄穴流しが大きな影響を与えている点に特異性がある.
  • 1991 年 64 巻 1 号 p. 47-50,55_1
    発行日: 1991/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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