地理学評論 Ser. A
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58 巻, 4 号
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  • 磯部 一洋
    1985 年 58 巻 4 号 p. 199-215
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    海岸自体が海浜堆積物の供絵源となりうる砂浜海岸において,堆積物の分布および組成を明らかにするために,伊豆新島の前浜・聞々下浦海岸を対象に研究を行なった.その結果,大部分の浅海底堆積物は,砂浜背後に分布する黒雲母流紋岩軽石層中の軽石質の砂礫からなるのに対し,汀線付近の堆積物は,変質火山岩類等の石質の砂礫から構成されることが分かった.これは,軽石層中に少量だけ含まれる石質の砂礫が,波によって汀線付近へ運搬され,かつ砕波・遡上波による摩滅に対して相対的に堅いために,多く残ったものである.砕波帯から水深30mの沖合へかけて,堆積物の粒度特性変化をみると,一般海岸のように砕波帯付近から沖側へ細かくならず,水道.において特に粗く,淘汰が不良になる.これは,水道部および沖浜の堆積物の粒度特性が,波と潮流の複合作用によって決定されたためであると考えた.
  • 田村 均
    1985 年 58 巻 4 号 p. 216-236
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    秩父織物業の衰退は,機械工業とくに下請工業の展開によって促進され,大企業主導による垂直的・専属的な下請構造の形成を一つの重要な背景としている.本稿では,この点に着目しながら,埼玉県秩父地方で最大の生産規模と組織をもつキャノン系A社の下請関係を取り上げ,専属的な関係を基軸に,機械工業の垂直的な下請構造がいかにして形成されてきたかについて考察し,その地域的編成と機能を明らかにした.
    1960年代の後半以降,秩父地方では急速な産業交替,すなわち在来織物業の衰退と機械エ業の展開が,織物業者の業種転換による後者への下請従属化をともなって,ドラスティックなかたちで進展した.機械工業による在来織物業の地域的再編は,前者による若年男子を中心とする,織物業とは相対的に異なる労働力編成を通じて,当地方工業の賃金体系が改編される過程であった.この過程で拡大再編された低賃金は,秩父地方の他地域との賃金格差を拡大し,機械工業の下請構造を支えることになった.そこでは,A社による厳しい外注・下請管理が展開されるが,低賃金基盤の上に専属的下請企業層として育成・拡充された小零細企業群と,これを補強するべく同社の「衛星エ場」として編成された生産子会社・系列会社とが,工場群編成のうえで一定の空間的秩序をもって地域内に「合理的」に配置され,機械エ業の下方への負担転嫁を地域的に支えている.
  • 生成環境推定の試論
    渡邊 真紀子
    1985 年 58 巻 4 号 p. 237-254
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    現在の環境下で発達を続けている腐植質火山灰土壌(黒ボク土壌)について,その土壌腐植特性からみた生成環境推定の試論を行なった.日光男体火山東麓から大谷川,鬼怒川沿いの洪積台地上に発達する厚い腐植層を対象に,腐植層の暗色度,腐植の集積度および腐植化度に着眼して,土壌腐植特性に関する室内分析を行なった.その結果,腐植層の特性にみられる地域性は,現在の気候の空間的分布,降灰量,腐植層直下の母材による水分条件等に規定されていることが明らかになった.この中で,腐植層の暗色度と腐植の集積度にみられる極大域は;'腐植の集積を促進する局地的な生成環境によるものと考えられるのに対し,腐植化度の地域性は標高に伴う気候の空聞的分布に従っていると考えられる.この試論をもとに,埋没性腐植質火山灰土壌の生成環境について考察していくことが今後の課題である.
  • 柳田 誠, 平川 一臣, 大内 定, 貝塚 爽平
    1985 年 58 巻 4 号 p. 255-265
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 58 巻 4 号 p. 266-270,273
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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