地理学評論 Ser. A
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61 巻, 11 号
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  • 藤目 節夫
    1988 年 61 巻 11 号 p. 787-803
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,交通機関の運賃と所要時間,ならびにこの2変数では表わされない各交通機関から受ける旅行者の犠牲量で,交通機関別分担率を予測する坂下モデルを航空機の分担率の予測に適用することを考え,その際このモデルに多少の工夫を加えて,各地域の鉄道と比較した際の航空機の好みの程度,すなわち航空機に対する選好性を求める方法を提案した.さらに数量化理論第1類を用いて,この航空機の選好性を規定する要因について考察した.その結果,ここで提案した方法はこれまで求められなかった航空機に対する選好性を求めることができると言う点で有効な方法であること,選好性は一般に北海道,四国,九州などの東京から見て縁辺部に位置する地域において高いこと,また航空機の選好性を規定する要因としては,移動に際して「介在する海」の存在がもっとも重要であることなどが明らかとなった.
  • 日原 高志, 鈴木 啓助
    1988 年 61 巻 11 号 p. 804-815
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    多摩丘陵の源流域において降雨流出の観測を行ない,一雨に対するふたつの流量のピークについて,それらの量的・時間的関係の検討,および第2の流量のピークの形成機構についての考察を行なった.その結果,次のことが明らかになった.(1)降雨中の第1の流量のピークは,流域下流部の水みち近傍の谷底地下水の流出,飽和域への直接降雨による飽和地表流,一時的に浸透し流出する浅い地中流により形成される.(2)降雨終了後の第2の流量のピークは,谷頭平底に形成された地下水面の高まりが下流方向へ移動し,地表面に達した地点で地表流となり形成されたものと考えられる.(3)第2のピーク流量形成時の流域中・下流部からの流出量は少なく,この部分の側方斜面が第2のピーク流量に果たす役割は小さい.(4)重回帰分析によって,第2のピーク流量の変動の91%,ふたつのピーク流量の時間間隔の変動の81%が,・降水量と初期流量によって説明される.(5)同程度の降雨では,初期流量とふたつのピーク流量の時間間隔との問に明瞭な相関関係が認められる.
  • 石澤 孝
    1988 年 61 巻 11 号 p. 816-829
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    広域中心都市の1つである仙台市をとりあげ,中心商店街における支店の立地動向の分析を通して,小売業における資本の進出の実態および,それにともなう商店街の質的変化の一端を明らかにした.仙台市においては,大型店があいついで開設された1972年以降支店の比率が増加した.このように,支店数の急増と大型店の開設とは密接な関わりあいがあり,とくに商店街の視覚的な華やかさを演出する大手スーパー,百貨店そして紳士服・婦入服・ファッションメーカーなど衣料品関係の業種において支店数の増加が著しい.それらの支店の半数以上が中央資本によるものであり,仙台市中心部における商店街が景観的にきらびやかになり,機能的に発展した.
    また,仙台資本のいくつかの小売店は,宮城県およびその周辺各県に支店を設けている.このことは,仙台市における中央資本の進出と全く無関係ではなく,一種の玉突現象と考えられる.したがって,仙台資本が進出したこれらの諸都市においても,仙台市中心部の商店街に生じた現象のミニチュア現象が生じているものと類推される.
    仙台市における支店の立地動向には5つのタイプが認められる.小売業においてこのような階層的な店舗網を展開する支店が見いだされたということは,小売業におけるわが国の都市体系の再編成の一端をうかがわせるものといえる.
  • 仁科 淳司
    1988 年 61 巻 11 号 p. 830-836
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    Nishina (1984a, b, 1987) discussed the relationship between the generation of local anticyclones and cyclones and the appearance of CBCs (Connective Band Clouds) and BCs (Band Clouds): that is, the generated location of local cyclones corresponds to the landing location of CBCs on the Japan Sea side, and to the formed location of BCs on the Pacific Ocean side.
    In this paper, the author shows through a case study that the generation of local anticyclones and cyclones precedes the landing of CBC and the appearance of BCs: that is, CBC lands on and BCs are formed leeward from the location where a local cyclone with a discontinuity line of surface wind has been previously generated.
  • 1988 年 61 巻 11 号 p. 837-840,847
    発行日: 1988/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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