地理学評論 Ser. A
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59 巻, 10 号
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  • 春山 成子, 大矢 雅彦
    1986 年 59 巻 10 号 p. 571-588
    発行日: 1986/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    隣り合って流れる庄内川,矢作川の河成平野の地形分類図を作成した.地形要素の組合わせは庄内川は小型自然堤防+高位デルタ+低位デルタ,矢作川は扇状地的自然堤防+高位扇状地的デルタ+低位扇状地的デルタとなっており,著しい地域差が見られた.
    この原因を次のように考えた. (a) 矢作川は高度分布,高度分散量,起伏量平均値共に大きく,かつ風化しやすい花崩岩からなるため,山地崩壊が庄内川より大である. (b) 庄内川は河川縦断勾配が緩でかつ盆地,峡谷の繰り返しとなっており,下流平野へ流下する砂礫量は矢作川より少ない. (c) 縄文海進時に堆積した海成層上の河成沖積層の厚さは庄内川平野の方が薄い. (d) 氾濫原の幅は庄内川平野では上,中流は狭く,下流は広い.このため,上,中流では河道変遷は少なく,洪水は集中型となるが,下流は変遷が大きく,溢流型となる.矢作川は氾濫原の幅の変化は少なく,洪水は平野上流側はショートカット型,下流側は盗流型となっている.
  • 枝川 尚資
    1986 年 59 巻 10 号 p. 589-605
    発行日: 1986/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    これまで推定の域にとどまっでいた琵琶湖上の気候特性を解明する目的で,湖上の島(沖の白石)と湖上に・設置されたボーリング塔を利用して,長期にわたる気象観測を実施した.得られた1年分 (1982年7月~1983年7月)の資料のなかから,気温・湿度・風をとりあげて,それらの日変化・年変化の様相を解析し,また湖岸との比較も行なった.その結果,(1)湖陸の気温差は冬季の夜間と春季の昼間に大きい, (2) 湖陸の湿度差嫉春季に大きい, (3) 湖上は陸上よりも風速が大,とくに夜間の風速差が顕著である, (4) 琵琶湖の湖陸風は北西岸・北東岸・南東岸の三つの系統からなる,しかしタ刻になると湖風とは異なる風系が発達する, (5) 強風の場合.沖の白石では地峡に沿う風(東西成分)が,ボーリング塔では山地に沿う風(南北成分)が卓越する,などの知見を得た.
  • 脇阪 義和
    1986 年 59 巻 10 号 p. 606-624
    発行日: 1986/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    若狭湾周辺地域において見出された冬型降水分布の時間的変化の規則性を,上層寒気の移動から要約して記述した. 3時間降水量分布図から分類された四つの降水分布型は, 850mb面付近の風の違いに対応して現われ,多降水域は日本海沿岸の地上風収束域の風下側付近に位置する。降水分布型は規則的な時間変化を示し,上層寒気の西方から東方への移動に伴って, 850mb面付近の風向も西から北西へと変化するために,多降水域は若狭湾岸北部から,東部,さらに西部へと移動する.また,若狭湾岸西部は周辺地域と降水条件が異なり,上層寒気の著しい南下による多降水期間には降水が少なく,寒気が北偏し,850mb面付近の風が北北西から吹くとき局地的に多降水となる.
  • 青山 高義
    1986 年 59 巻 10 号 p. 625-627
    発行日: 1986/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 59 巻 10 号 p. 628-634
    発行日: 1986/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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