地理学評論 Ser. A
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64 巻, 12 号
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  • 上野 健一
    1991 年 64 巻 12 号 p. 801-817
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    北半球中緯度における温帯低気圧の頻度分布,発生・発達・移動に関する活動の気候学的分布を明らかにし,従来の研究との比較考察を行なった.地上気圧および1,000mb格子点データを利用し,低気圧の位置および移動を客観的・系統的に解析し,分布図を作成した.低気圧の頻度分布・おもな移動経路は従来の研究結果とほぼ一致し,ユーラシア大陸上も含むより詳細な季節変化が得られた.低気圧の大地形の風下での発生域と,冬季海洋上の暖流域に沿った発達域および海洋北東部とシベリア高地付近の衰退域が明らかとなった.さらにおもな低気圧経路を,季節別・発達段階別に集計し,主要前線帯に沿った複数の移動経路を明らかにした.一方,熱的低気圧・地形性低気圧の卓越地域も解析された.
  • 呉羽 正昭
    1991 年 64 巻 12 号 p. 818-838
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,群馬県片品村におけるスキー観光地域,とくに1970年代までのスキー観光地域が, 1980年以降どのように変化してきたかに注目して,その形成の諸特徴とそれにかかわる条件を明らかにすることである.
    片品村では, 1970年代までに,規模の小さい8つのスキー場が,伝統的利用が行なわれていた共有林野のなかに開設された.スキー場の開設に伴い周辺地域では民宿が開設され,またスキー場の冬季臨時従業員といった雇用機会がうまれた.住民は,スキー場に関連した新しい就業を取り入れ,それに,夏季の農業,林業および建設業を組み合わせるようになった. 1980年代になって,スキー場ではペアリフトなどの新しい施設の建設が進み,入込客,とくに首都圏からの週末の日帰り客が急増した.一方,周辺地域では,スキー場関連産業が重要な位置を占あている.片品村では,高速道路開通による首都圏からの近接性の向上,面積拡大を可能にした林野所有形態といった条件をいかしながら,スキー観光地域は, 1980年以降大きく発展してきた.そこでは,スキー場の入込客許容量が増加し,また多種類の宿泊施設が存在することによって,スキー客の多様な需要に対応してきた.
  • 高木 彰彦
    1991 年 64 巻 12 号 p. 839-858
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    1970年代以降活発な研究の展開をみせていた英米の政治地理学は,近年その再構成が進みつつあり,政治経済学的なアプローチ,国際的スケールの研究の増加が顕著なものとなっている.本稿ではこうした政治地理学の研究動向を, 1. Wallerstein の世界システム論に依拠する P. J. Taylor の研究を中心に展望した.その結果,世界システム論的地理学はグローバルスケール,全体性,歴史的視点の強調などの特徴をもち,これまで別個に行なわれてきたグローバル,国民的,および都市的スケールの研究を統一的に位置づけ,伝統的政治地理学と新しい政治地理学の統一を可能にするとともに,地政学,選挙地理学,地域地理学などにおける新たな研究展開に大きな刺激を与えていることがわかった.
  • 1991 年 64 巻 12 号 p. 859-866,1
    発行日: 1991/12/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 64 巻 12 号 p. 864
    発行日: 1991年
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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