地理学評論 Ser. A
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66 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 鄭 光中
    1993 年 66 巻 1 号 p. 1-25
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,韓国京畿道・金浦半島地域を事例として,専売下における薬用人参生産の特色と,そこで展開される出耕作の実態を農家の経営的側面から検討した.
    金浦半島は,韓国動乱の1950年以前から,薬用人参の大産地である開城の影響を受けてきた.産地としてのより本格的な発展は1960年以降で,その後1970年代末までの約20年間は全国有数の産地であった.しかし,多くの農家は薬用人参の栽培を短い間隔で繰り返し行ない,結果的に連作障害を引き起こす原因となった.このため,金浦半島地域は産地の老朽化が進むと同時に,紅参用原料の産地から白参用原料の産地へと転じた.紅参生産が不可能となった農家は,1980年を境として地元集落から離れたところに土地を求め,出耕作に乗り出した.出耕作先は,いくつかの地区に集中する傾向を示しているが,その理由は,先行農家による出耕作が成功したこと,ならびに初作可能な土地が多く分布する地区であることによる.また,生産農家の借地規模は,出耕作先の遠近によって差が生じている.
  • 川田 力
    1993 年 66 巻 1 号 p. 26-41
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    長野県佐久地方において大学進学行動と大学新規卒業者の就職行動を一貫して捉え,大学卒業者を中心とした高等教育水準の地域格差の現状と,その発生メカニズムについて分析した.長野県に立地する大学は,収容力が小さいため,長野県の大学進学者のほとんどが東京大都市圏を中心とした県外へ進学し,その半数以上が大学卒業直後に東京大都市圏内で就職する.長野県において,大学卒業者率の高い地域は,おおむね人口規模の大きく都市化の進展した地:域であり,1970-1980年にかけて長野県の高等教育水準の地域格差は必ずしも縮小傾向にない.長野県佐久地方の高等教育水準は,佐久地方の北部で高く南部で低い傾向がみられる.これは,都市化の進展度や人口増加率と対応しており,1970-1980年間に地域格差は縮小していない.これには就職先企業の質的な差異,および就職機会の多少が大きな役割を果たしている.長野県佐久地方においては高等教育水準の低い地域では大学進学率・大学卒業者のU夕一ン率がともに低く,相対的に大学卒業者率も低くなるといった教育水準の地域格差再生産のメカニズムが働いている.
  • 1993 年 66 巻 1 号 p. 42-45,48_1
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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