地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
ISSN-L : 0016-7444
71 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • POSデータによる売上分析を通じて
    箸本 健二
    1998 年 71 巻 4 号 p. 239-253
    発行日: 1998/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,首都圏に展開する同一チェーン99店舗のコンビニエンスストア(CVS)を,商品群の売上に基づいて七つの店舗類型に分類し,その空間分布の特徴を把握するとともに,店舗類型を規定する要因を考察した.対象店舗の商品群別POSデータを用いて因子分析を行い,CVSの売上を説明する因子として,外出先購入因子,菓子飲料因子,他業態代替因子,生活雑貨因子,酒類関連因子の5因子を抽出した.次に,この5因子の店舗別因子負荷量を用いて対象店舗のクラスター分析を行い,分析対象とした99店舗のCVSを7類型に分類した.本分析を通じて,CVSには,従来指摘されてきたような時間的な補完機能を中心とする利用形態に加えて,品揃えやワンストップショッピング性を評価した他業態代替型の利用形態が存在することが明らかとなった.これは,当該商圏における商店街やスーパーマーケットなど競合する業態の存立状況を反映したものであると同時に,若年層を主体とした新たな店舗選択store choiceパターンの存在を示すものである.さらに,オフィス街や学校の周辺でも夜間人口が多い立地では,昼間に発生する来街者の需要と,居住者による他業態補完型需要とが,同じ店舗で時間帯を分けて発生することを確認した.
  • 堀 和明
    1998 年 71 巻 4 号 p. 254-271
    発行日: 1998/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    野外での地形・地質調査とボーリング資料の解析により豊川中・下流域の段丘面と沖積低地の地形およびそれぞれの地下層序を明らかにし,地形面構成層の編年を行って後期更新世以降の地形発達を検討した.下流部では毅丘面下と沖積低地下に,それぞれ酸素同位体ステージ6-5と同2-1の,2回の海進に対応する堆積物が確認された.段丘面下の堆積物から海面低下期における基底礫層の堆積,海進時の河成・海成堆積物による河谷の埋積,海退期における砂礫層の堆積による扇状地性平野の形成が行われたことが示された.沖積面下でも低海面期に基底礫層が堆積し,海進時に河成・海成堆積物により河谷が埋積されている.本地域の地形発達は,ステージ6-5と2-1の2回の海面低下一海面上昇によって主として規定されてきたと考えられる.
  • 森本 泉
    1998 年 71 巻 4 号 p. 272-293
    発行日: 1998/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,ネパールの地方都市ポカラのダムサイド地区におけるツーリストエリアの形成・展開の経緯を実態に即して明らかにし,そこに内在するダイナミズムを分析したものである.主にホテル業に参入した民族「企業家」を対象に調査を行った結果,山地民族のタカリーやグルンが故地から南部低地や都市に移住する過程において,ポカラのダムサイドでホテル業を始め,ツーリストエリア形成の主体となっていたことが明らかになった.1970年代に始まった彼らのホテル業への参入は,各民族集団内における金融講や相互扶助機能などによって促進されてきた.1980年代後半以降,ダムサイドには,従来のロッジタイプのものに加え,.「高級」指向のツーリストに対応し得るホテルも出現し,ホテルの質の二重構造化が顕著となった.それに伴い,従来の非熟練低賃金労働に加え,ある程度の学歴や知識を持った人材が求められるようになり,労働力市場においても質の二極分解が進んでいる.
  • 武田 一郎
    1998 年 71 巻 4 号 p. 294-306
    発行日: 1998/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    日本の太平洋沿岸の砂礫質海浜における後浜上限を地形と海浜植物を用いて六つのタイプに分類し,その高度BH(平均海面からの高さ)と海浜堆積物の粒径Dとの関係を検討した.その結果,D<10mmの範囲ではDが大きくなるにつれてBHも大きくなるが,D>10mmの範囲ではDが大きくなるにつれてBHが小さくなること,また,バー海岸のBHはバーなし海岸のBHよりも小さくなることを見出した.後浜上限高度は暴浪時に波が遡上する最大の高度Rmaxに一致するが,Rmaxは暴浪時の波の規模だけではなく,バーの波に対するフィルター効果,汀線砕波波高を規定するステップの規模,および礫の消波効果と関係する.これらの諸要素はDと密接に関連するために,BHDに大きく左右されることが分かった.
  • 1998 年 71 巻 4 号 p. 307-310,313
    発行日: 1998/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 71 巻 4 号 p. 312
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
feedback
Top