地理学評論 Ser. A
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63 巻, 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 杉本 尚次
    1990 年 63 巻 11 号 p. 699-700
    発行日: 1990/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 平 篤志
    1990 年 63 巻 11 号 p. 701-721
    発行日: 1990/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿は人口の減少に伴うコミュニティの変容を明らかにすることを目的とし,東京都千代田区神田地区を事例として考察した.コミュニティの範囲は,町会の範囲を基本とし,小学校区を高次の単位とした.
    1950年代半ばに始まった人口の減少により,都心地区の公立小学校では空き教室の増加が問題となっている.その解決策として,一般への校舎の開放をとおして施設の有効利用を図る小学校のコミュニティセンター化が徐々に進められている.一方,居住者の主要な組織である町会は,公立小学校と同様に規模の縮小を余儀なくされている.地区からの転出者は主として若年層であり,居住者および役員の高齢化が進行している.町会活動では氏神の祭礼が中心となっており,居住者の連帯感を維持する重要な役割を果たしているが,人員の確保が困難になり始めている。居住者および組織の変容と同時に,居住施設の改変に伴い景観が改変されつつある.具体的には住居兼用の一般商店を個人規模で商業ビルに改築する例が事例地区において顕著にみられた.町会を基礎としてきたコミュニティは,今後町会相互の結びつきの強化と小学校を核とした新たな組織の成立により,コミュニティそのものの範囲が拡大していくことが予想される.
  • 植村 善博, 太井子 宏和
    1990 年 63 巻 11 号 p. 722-740
    発行日: 1990/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    琵琶湖はわが国最大で,世界的にも最古の湖沼の1つであるが,その湖底部の活構造についてはほとんど明らかにされていない.そこで,湖沼図・ユニブーム記録・エアーガン記録の判読,深層ボーリングの成果などに基づき,湖底活断層の分布と性質,琵琶湖の傾動運動および現湖盆の変遷過程について考察した.
    その結果,湖盆形態を決定する大規模な活断層として,西岸・南岸・東岸湖底断層系が認定された.西岸湖底断層系はA級活動度をもつ最も重要な逆断層であり,変動地形や西傾斜の基盤面の特徴などから,琵琶湖を含む近江盆地のブロックが比良・丹波のブロックにアンダースラストしている境界であると推定した.南岸・東岸湖底断層系はB級活動度をもつ逆断層である..以上の活断層はその走向と変位様式から,東西水平圧縮下での共役断層系をなしていることが明らかになった.またこれらに限られた中・北湖盆は逆断層性の地溝(ramp vally)である。中央撓曲と掘削点断層は50万年前頃を境に変位速度が加速化しており,近畿中部全域において生じた地殻応力の増加が原因と考えられる.琵琶湖の湖底地形や堆積作用を支配している近江傾動運動は,約100万年前に発生し,40万年前以降加速化してきている.現琵琶湖盆の発達過程は,(1)湖盆の発生期(200万年前頃),(2)浅い湖盆の発達期(200万年~40万年前),(3)深い湖盆の形成期(40万年前~現在)の3時期に分けられ,その古地理図が描かれた.
  • 菊地 俊夫, ワレン モラン
    1990 年 63 巻 11 号 p. 741-765
    発行日: 1990/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究はオークランド都市圏における農業的土地利用の変化を時間的,空間的に分析し,土地利用変化の遷移システムとそれを規定する諸要因を明らかにした.さらに,土地利用変化とその諸要因の地域的性格を解明することも目的とした.オークランド都市圏では都市ゾーンや農村ゾーン,および漸移ゾーンに分ける土地利用規制が多くの地域で行なわれているが,本研究の対象地域は最も土地利用変化の著しい漸移ゾーンの1つ,マヌカウ市イースト・タマキ地区とした.オークランド都市圏近郊の農業的土地利用は,フィードバック機構をもって,酪農経営から羊・肉牛の放牧経営や肉牛の放牧経営に変化する労働・土地粗放化の遷移システムと,フィードバック機構をもたないで,酪農経営や肉牛の放牧経営から軽種馬飼養経営に変化する労働粗放化・土地資本集約化の遷移システムという2つの段階のシステムをもって変化していることがわかった.このような,土地利用変化の遷移システムは,オークランド都市圏の自然条件や社会・経済条件などを基盤にして成立している.
  • 神谷 浩夫, 岡本 耕平, 荒井 良雄, 川口 太郎
    1990 年 63 巻 11 号 p. 766-783
    発行日: 1990/11/01
    公開日: 2008/12/25
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    本稿は,時間地理学的アプローチによって既婚女性の就業を分析することを通じて,時間地理学的分析の有効性を検討することを目的とする.具体的事例として長野県下諏訪町の居住者の日常生活を取り上げ,既婚女性の社会進出の問題に対して時間地理学的考察を試みる.まず初あに,時間地理学の背後にあると思われる考え方の特徴を考察し,次に,これらの特徴をふまえつつ,長野県下諏訪町の住民の日常生活を詳細に観察し,女性の社会進出という現代日本社会において重要な問題に対して地理学的視点から実証分析を試みた.幼児を抱えた既婚女性に課せられた大きな制約は,子供の年齢が上昇するにつれて軽減される.祖父母との同居は育児への助力を期待できるが,すべての人が可能ではないため,現時点では長時間の保育や0歳児保育などのサービス供給が既婚女性の就業を可能にするために有効と思われる.
  • 1990 年 63 巻 11 号 p. 784-787,789_1
    発行日: 1990/11/01
    公開日: 2008/12/25
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