本研究では,梅雨季 (6・7月) の日本における「雨の降り方」の地域性と年乏の差異(「陰性」・「陽性」梅雨)を知るために,梅雨季総降水量に対する日降水量の階級別の寄与にっいて検討した.日本全体を大きく二分する場合,総降水量に対して上位階級(大きい日降水量の階級)の寄与が大きい地域には,九州地方,中国地方西半,四国~東海地方南岸,および中部山岳域西部が該当する.西日本であっても,南西風に対して山地風下にあたる地域では,風上側に比べて上位階級の日降水量の寄与は相対的に小さいことなど,大地形との対応が認められる.総降水量に対して下位あるいは上位階級の日降水量の寄与が大きい場合を,それぞれ「陰性」あるいは「陽性」梅雨と考えるならば,両者の判別は極端な少雨年を除き可能であると考えられ,同程度の総降水量であっても「陰性」・「陽性」それぞれの場合が認あられる.また,「陰性」・「陽性」いずれの場合であっても,平均状態に認められる「雨の降り方」の基本的な地域性は維持されている.
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