地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
72 巻 , 1 号
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  • 祖田 亮次
    1999 年 72 巻 1 号 p. 1-22
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    マレーシア・サラワク州のイバン人は,ロングハウスに住む焼畑農耕民族として知られ,これまで,焼畑や首狩りといった伝統的慣習との関連で,その移動性が注目されてきた.本研究では,都市へと向かうイバン人の新たな移動形態と,そのロングハウス・コミュニティへの影響を明らかにする.
    近年のサラワクの経済発展は,イバン人男性に,より安定した職業を提供し,都市滞在の安定化・長期化を促している.それによって,これまでの男性単身の出稼ぎではなく,妻子を伴った都市への移動が可能になった.このため,女性の都市流出が顕著になってきた.一方,村での生業活動は,陸稲栽培から水稲栽培への移行,作付面積の縮小という変化を伴いながら,高齢者層が中心的な担い手となっている.若年層の減少と生業活動の衰退は,世代継承の途絶と世帯間の紐帯を弱める傾向をもたらし,ロングハウスを基盤とする村落社会構造が空洞化しつつある.
  • 野上 道男
    1999 年 72 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    北海道を除く日本列島全域について,50m-DEMから250mメッシュごとの地形特性値(高度,険しさ,凸斜面率)を計算し,それと250m解像度の地質データをクロス集計して,地質と地形特性の関係を明らかにした.地形特性値は,地形を作る地質の時代にっれて完新世から新第三紀へと変化するが,その傾向は古第三紀で中断する.このことは,現在の地形を作る隆起運動が古第三紀直後に始まり現在まで続いていることを意味する.
    中生代・古生代の地層を刻んで形成されている現在の山地地形の地形特性は地層の時代との相関が薄い.このことは低地に堆積した状態を初期条件として,それが隆起しっっ谷が刻まれることで山地地形が形成されるという地形発達史を考えるとき,初期条件の影響を受けるステージがすでに過ぎていることを意味しているので,日本列島の山地地形は理論的には地層の侵食されやすさ(相対的な岩石特性)と隆起速度で決まる定常状態に近づいているか,すでに達していると解釈される.
  • 小松 陽介
    1999 年 72 巻 1 号 p. 30-42
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    谷密度を計測する場合,どの地点までを谷の最上流部と認定するかにより谷密度の値が変化する.そこで,25,000分の1地形図を用いて,等高線の屈曲部をすべてっないだ水系を全水系,等高線の屈曲部において等高線長2mmかっ屈曲角90°以内の基準を満たす水系を深水系として2種の水系図を作成し,地質ごとに1・2次流域の谷密度を測定,比較した.計測対象地域は敏音知,鵡川・沙流川,大島,大江山の各蛇紋岩山地とその周辺である.大江山地域を例に挙げると,全水系の谷密度の値は大きい方から,蛇紋岩<花商岩<古生層堆積岩,深水系の谷密度は,花商岩<古生層堆積岩<蛇紋岩となり,各地質における谷密度の相対的な大きさが水系認定法により異なることが明らかとなった.また,他の3地域においても相対順位が大きく変化した.これらの計測結果は,従来の谷密度の計測方法だけでは,山地の地形特性を正確に把握できないことを示唆する.一方,すべての対象地域において,蛇紋岩流域の全水系の谷密度は他の地質に比較して最大,深水系の谷密度は最小であった.さらに,蛇紋岩流域の全水系と深水系の谷密度比は最小であった.このことから蛇紋岩山地の地形的特徴として浅い水系が多く,深い谷が少ないことが示された.また,そのような地形の原因として地すべり地形の存在が挙げられる.
  • 1999 年 72 巻 1 号 p. 43-49,54_1
    発行日: 1999/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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