Zairyo-to-Kankyo
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55 巻, 11 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
展望
解説
  • ―化学ポテンシャルと相互拡散の利用―
    林 重成, 成田 敏夫
    2006 年 55 巻 11 号 p. 476-482
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    近年の熱交換システムでは, 熱効率向上を目的とした運転温度の上昇が求められており, 耐熱材料にはより高温での使用が要求されている。高温対応型の耐熱材料設計の自由度を上げるため, 合金上への耐酸化コーティングの適用は必要不可避となっており, コーティングの重要性はますます増加している。本解説では, 著者らの最近の研究成果を紹介しながら, 次世代の耐酸化コーティングについて議論する。
論文
  • 鈴木 宏幸, 谷口 直樹
    2006 年 55 巻 11 号 p. 485-494
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるオーバーパックには1000年間以上の寿命が要求されており, その候補材料のひとつとしてチタンが挙げられている. チタンをオーバーパック材料として用いる場合に評価すべき項目のひとつとして水素脆化が挙げられるが, 地層処分で想定される中性から弱アルカリ性の低酸素濃度環境におけるチタンの耐食性や水素吸収挙動について十分な知見が得られていない. よってチタンの腐食速度および水素吸収挙動について信頼性の高いデータを取得するために, 長期浸漬試験および完全密封容器試験を実施した. 環境因子をパラメーターとした試験の結果, 高炭酸塩 (1mol/dm3) 条件と高pH環境 (pH 13) で主にアノード反応の促進によると思われる腐食速度の顕著な増加が認められた. それ以外の条件では, 腐食速度は10-3~10-2μm/yの値となった. また腐食により発生した水素のほとんど (98%以上) がチタン中に吸収されていたことが分かった. チタンの長期吸収について安全側の評価として水素吸収量の経時変化を直線則で近似すると1000年間で400~500ppmの水素を吸収することが示唆された.
  • 中津 美智代, 高島 正之, 辻川 茂男
    2006 年 55 巻 11 号 p. 495-504
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    本報では, ウォータージェットルームの部品である13Crステンレス鋼製フラットヘルドに発生するすきま腐食損傷について調査を行った. ヘルドは, 水道水の水しぶきにより常に濡れ, PAAE系樹脂の付着物が大量に付着した状態で使用される. 通常品 (ヘルドC) は, 約2年の耐久であるが, 腐食事例品ヘルド (ヘルドX) は, 1, 2カ月で局部腐食が発生した. 30℃, 20~1,000mg/L塩化物イオン濃度において, ヘルドXの金属/金属-すきまにおける腐食すきま再不動態化電位 (ER,CREV) と塩化物イオン濃度 ([Cl-]) との関係が (1) 式で求められた.
    ER,CREV(mV vs. SHE)=-294 log[Cl-](mg/L)+832 (1)
    金属/付着物-すきまのER,CREVは, 16mg/L Cl-において, 式 (1) に接近していた. 水道水中の残留塩素濃度が0.4mg/Lになると, ヘルドXの定常自然電位ESP,Xは570mVに貴化する. 式 (1) のER,CREVESP,Xの比較から, すきま腐食は8mg/L以上で発生する可能性がある. つまり, 夏場の水道水中の塩化物イオン濃度14mg/Lで, ヘルドXは実際にすきま腐食が発生する. ヘルドXのESPがヘルドCより高く貴化するのは, 材料中のCr炭化物析出量の多さに関係すると推測された. すきま腐食の防止策として, WJLに使用する水道水の残留塩素濃度を0.04mg/L以下に管理することが有効である.
  • 世利 修美, 神保 祐一, 境 昌宏
    2006 年 55 巻 11 号 p. 505-510
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    空調機用銅管の腐食挙動を電気化学手法と表面観察により研究した. 適切な水処理剤を使用しているならば, 銅管内面に付着している残留カーボンの有無にかかわらず良好な防食状態を維持できる. 循環水中の腐食生成物のような粒子は管内面にダメージを与える原因となり, そして孔食のような局部腐食の発生につながることを示した.
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