Zairyo-to-Kankyo
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62 巻, 3 号
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展望
解説
  • 原 泰弘
    2013 年 62 巻 3 号 p. 86-92
    発行日: 2013/03/15
    公開日: 2013/10/16
    ジャーナル フリー
    国内の石油精油所の主要設備の75%は20年以上の使用年数である.一方,自主保全管理体制の認定事業所が増加している.しかし,腐食や割れを原因とする事故が多発している.これに対して,化学装置分野での損傷評価に適用される維持規格が整備されておらず,損傷部の評価は保安4法の技術基準が適用されている.このため,欠陥はグラインダーで完全に除去され,必要最小肉厚への回復が要求される.ここでは,化学装置,タンクの事故発生状況を述べ,溶接補修と保安4法との関係を示す.
速報論文特集−第59回材料と環境討論会
ノート
  • 中山 元, 榊原 洋平
    2013 年 62 巻 3 号 p. 117-121
    発行日: 2013/03/15
    公開日: 2013/10/16
    ジャーナル フリー
    ステンレス鋼製溶接構造物を海洋性湿潤大気環境下で使用すると,溶接による鋭敏化が起きていれば湿潤大気応力腐食割れ (Atmospheric Stress Corrosion Cracking, ASCC) を起こすことがある.本報では,ASCCの発生と進展過程をモデル化した.
    補修溶接を施した溶接継手の軸方向の表面側の残留応力を362 MPa,板厚内部の残留応力を200 MPa,鋭敏化度を20%,付着塩分量を0.1 g/m2[NaCl]とした時のASCC発生寿命は1.1年で,き裂進展速度の応力拡大係数依存性から約7.6年で20 mmの板厚を貫通する可能性がある.
論文
  • 久保 真治, 二川 正敏, 小貫 薫, 山口 明久
    2013 年 62 巻 3 号 p. 122-128
    発行日: 2013/03/15
    公開日: 2013/10/16
    ジャーナル フリー
    熱化学水素製造法ISプロセスのヨウ化水素分解反応環境に用いる装置用金属材料は,高温ハロゲンガス腐食と水素脆化という厳しい環境にさらされる.ヨウ化水素 (HI),ヨウ素 (I2),水 (H2O) および水素 (H2) の混合ガス環境に適した装置用金属材料を選択することを目的とし,連続高温ガス腐食試験による腐食速度測定,機械的性質の測定(硬度,0.2%耐力,引張強度および伸び) を実施した.腐食環境は,モル比H2:HI:I2:H2O=0.16:1:1:6,大気圧,450℃,試料の暴露時間は100時間および1000時間とした.腐食速度の観点からはニッケル基合金 (Hastelly C-276, MAT21, Inconel 625) が優れた耐食性を示し(<0.03 g m-2h-1),また,MAT21, Inconel 625の機械的特性に著しい低下は認められなかった.タンタルには水素脆化が認められ,ジルコニウムおよびニオブの耐食性は低かった.モリブデン,チタンの耐食性は良好であったが,モリブデンには強度低下 (硬度が低下) が,チタンには水素脆化が危惧されることを見い出した.以上の結果から,本環境に対する装置用金属材料には,耐食性の観点ではニッケル基合金が適しており,特にMAT21は耐食性と機械的特性の観点から有望であることを明らかにした.
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