硫酸酸性風化の履歴を有するフォッサ・マグナ東端の第三紀海成堆積土地帯に位置する桑園の低位収穫に及ぼす因子を検討するため肥培管理ならびに土壌の断面形態と理化学性を調べた結果, 次の様な知見を得た。根群の発達は極めて不良で, 30cm以下の下層土には根の分布は認められない。作土および下層土のpH範囲が, pH (H
2O) 4.1-4.4, pH (KCl) 3.3-3.7, pH (CaCl
2) 3.7-4.1であり, また, 交換酸度ならびに加水酸度のY
1が15以上の極めて強い酸性土壌であることがを明らかとなった。この強い土壌酸性が根の生育を阻害している主要因であると思われる。さらに, 作土と下層土の交換全酸度は, Alイオンが70-90%を占有し, また, Al飽和度は11-30%であることが明らかとなった。この酸度の内容から, 根の生育低下は主としてAlイオンの阻害性によることが示唆された。
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