来世紀初頭からの運用をめざして, アメリカ, イタリア-フランス, ドイツ-イギリス及び日本においてレーザー干渉計を用いた重力波検出計画が進行している. これらの計画が実現すると, 重力波の存在の直接検証はもちろんのこと, 重力波を用いた天体観測が可能になり, これまでとは全く異なる側面から相対論的天体現象に迫ることができるようになる. 本稿は, このような展望を持つ重力波検出計画における理論家の役割について解説することを目的とする. まず重力波検出器及び有望な重力波源について述べる. 次いで重力波検出実験におけるデータ解析法について概説する. データ解析を行うには, 理論家があらかじめ重力波の波形を予測しておく必要があるが, その進行状況及び今後の課題を最後に述べる.
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