日本草地学会誌
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研究報文
  • 中村 直樹, 松本 武彦, 牧野 司
    2024 年 70 巻 3 号 p. 117-124
    発行日: 2024/10/24
    公開日: 2024/11/08
    ジャーナル 認証あり

    根釧地域において,飼料用ヘラオオバコ「PG733」を2ヶ年にわたり栽培し,フェストロリウム「ノースフェスト」を比較対照として生育特性を評価した。雪腐大粒菌核の着生は,フェストロリウムより少なかったものの一部で冬損が見られたことから,雪腐大粒菌核病への感受性を有する可能性が考えられた。生草収量は,フェストロリウムよりも多収である一方,乾物率が低いため,2ヶ年合計乾物収量(71.8 kg/a)はフェストロリウム(71.3 kg/a)と同程度であった。飼料成分はフェストロリウムと比較して,NDF含量は低い一方でNFC含量が高く,消化性が高いと考えられた。実際の利用に向けては,フェストロリウムが栽培可能な気象条件または栽培条件で利用できる可能性があり,放牧での補助草種としての混播利用が考えられた。

  • 篠田 優香, 朝隈 貞樹, 上田 靖子, 須藤 賢司
    2024 年 70 巻 3 号 p. 125-134
    発行日: 2024/10/24
    公開日: 2024/11/08
    ジャーナル 認証あり

    放牧泌乳牛のエネルギー状態と行動の関係を明らかにするため,24頭の泌乳牛を用いて,補助飼料給与量によりTDN充足率を110%とする対照区(C区,12頭)と80%とする不足区(L区,12頭)を設定した。GNSSロガーと活動量計から得られた20秒間隔のデータから,放牧地における採食行動を比較した結果,C区に比べてL区では,採食時間,採食バウト持続時間および採食バウト内の連続摂食期の持続時間が長く,さらに,総移動距離,採食バウトおよび採食バウト内の連続摂食期の移動距離が長くなった。これらの行動の変化には時間帯による差異が存在した。本研究から,乳牛のエネルギー状態が放牧地での採食バウト内の連続摂食期の持続時間などに反映されていることが明らかになり,エネルギー不足個体の特定に向けた活用が期待される。

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