皮膚筋炎は自己免疫疾患の一つで高率に悪性腫瘍を合併するが,発見時すでに進行癌である場合が多い.今回われわれは悪性腫瘍を合併した症例を2例経験した.症例1は乳腺と胃の重複癌を合併しており,いずれも早期癌であった.根治術を行った後,ステロイド投与により症状は軽快し,予後良好であった.症例2は進行上行結腸癌を合併しており皮膚筋炎の診断より約2カ月後根治術を行い,一時軽快退院となったが,早期に再発し予後不良であった.予後向上のためには早期発見が重要であり,また重複癌の可能性も念頭におき検索せねばならないと考えられた.
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