日本臨床外科学会雑誌
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64 巻, 9 号
選択された号の論文の58件中51~58を表示しています
  • 堀 武治, 天道 正成, 小山 剛
    2003 年 64 巻 9 号 p. 2309-2312
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    成人の仮性腸間膜嚢胞の1例を経験したので報告する.症例は38歳,女性,下腹部腫瘤を主訴に当院内科受診となった. MRI検査,経腟超音波検査にて10cm大と7cm大の単房性嚢胞性腫瘤を認めた.卵巣嚢腫の診断のもとに開腹すると,左卵巣嚢腫を認めたものの,回腸間膜にも黄白色の被膜を有する嚢胞性腫瘍を認めた.腫瘍は回腸との癒着が強く,腫瘍とともに回腸部分切除を施行した.内容液は黄白色な乳糜液であった.病理組織学的には,嚢胞壁に上皮細胞成分は存在せず仮性腸間膜嚢胞と診断された.
    仮性腸間膜嚢胞は自験例を含めて14例であり,極めて稀な疾患であると考えられた.
  • 河合 賢朗, 福沢 太一, 鈴木 雄, 竹花 教, 遠藤 義洋, 北村 道彦
    2003 年 64 巻 9 号 p. 2313-2316
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は56歳,男性. 30年前の外傷による右腎摘出術を契機として後腹膜膿瘍,皮膚瘻を形成.受傷26年後上行結腸と膿瘍腔の間に瘻孔を形成,皮膚瘻から糞便の排泄がみられるようになり,結腸切除ならびにドレナージ術が施行された.結腸瘻は閉鎖されたが膿瘍腔は形成されたままであった. 2001年膿瘍腔が下肢方向へ伸展し右臀部に皮下膿瘍を形成,発熱,経口摂取不良を主訴として来院,入院となった.背側膿瘍腔を開放,皮下膿瘍をドレナージするも臀部からの膿汁排泄はおさまらず,ショック状態となった.後腹膜経路を通じて右化膿性股関節炎を発症していたためと判明,当院整形外科にて右大腿骨頭切除,抗生剤含有セメントビーズ留置を行った.その後の経過は順調で松葉杖での歩行が可能となり,入院147日目にリハビリ目的に転院となった.
  • 濱田 賢司, 高橋 宏明, 岡村 一則, 小坂 篤, 勝田 浩司
    2003 年 64 巻 9 号 p. 2317-2321
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は39歳,女性,昭和63年12月他院で後腹膜脂肪肉腫摘出術,平成6年11月と平成10年6月に再発のため当院で腫瘍摘出術施行.平成11年6月腫瘍再発が判明し入院治療を予定していたが7月1日突然の高熱をきたし緊急入院となった.翌2日には激しい腹痛が出現し,ショック状態に陥った.右下腹部中心に弾性硬,小児頭大の腫瘤を触知し,右側腹部から背部にかけて皮膚の発赤,腫脹がみられ,著明な圧痛を認めた.腹部CTで腫瘍内部に広範なガス像を認め,さらに腹腔内遊離ガス像と肝内門脈に樹枝状に広がるガス像が認められた.腫瘍の腹腔内ならびに腸管内穿破による敗血症と診断し緊急手術を施行.感染を伴った腫瘍をその周囲に癒着した腸管とともに可及的に摘出し,腹腔内洗浄の後,ドレナージ術を施行した.術後敗血症によるDICを併発したが集中治療により一般状態は回復した.しかし,術後1カ月目頃より急速な腫瘍再発をきたし術後73日目に死亡した.
  • 水野 隆史, 長谷川 洋, 小木曽 清二, 坂本 英至, 伊神 剛, 森 俊治
    2003 年 64 巻 9 号 p. 2322-2326
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は87歳,女性.腹痛・嘔吐・血便を主訴に当院を紹介受診.左上腹部に圧痛を伴う腫瘤を触知し,腹部単純X線写真では無ガス像を呈した.超音波検査で左上腹部に限局して腸管拡張を認め,腹部造影CTで腹水・腸間膜集簇像・腸管の限局性拡張を認めた.右傍十二指腸ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断し,緊急手術を施行した.開腹すると結腸肝彎曲部内側の後腹膜で,十二指腸下行脚外側に異常窩を認め,同部をヘルニア門として空腸が約40cm嵌頓していた.嵌頓腸管を切除,ヘルニア門を閉鎖した.本症例は上行結腸部後腹膜で上腸間膜動静脈の右外側にヘルニア門があり,右傍十二指腸ヘルニアとは異なる特殊な内ヘルニアであった.同様の形態を示す内ヘルニアの報告例は自験例を含め4例のみで,名称は統一されていない.解剖学的位置関係から,後腹膜異常窩ヘルニアと命名すべき疾患であった.
  • 杉本 誠一郎, 萱野 公一, 宮崎 医津博, 西岡 聖
    2003 年 64 巻 9 号 p. 2327-2332
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    患者は59歳,女性.下腹部痛,嘔吐を主訴に当院を受診した.下腹部全体に圧痛やBlumberg徴候,筋性防御を認めたが, Howship-Romberg徴候を認めなかった. CTにて腹水,小腸の拡張,両側閉鎖孔ヘルニアを認めた.両側閉鎖孔ヘルニア嵌頓による穿孔性腹膜炎と診断し,緊急開腹術を施行した.腹腔内には腹水を認め, Treitz靱帯から80cm肛門側の空腸が右閉鎖孔に嵌頓し穿孔していた.左側は容易に整復でき,穿孔を認めなかった.空腸楔状切除術を施行し,両側ヘルニア門を直接縫合閉鎖し卵巣を縫着した.経過は良好で術後24日目に退院した.
    最近,閉鎖孔ヘルニアは術前診断される症例が増加しているが,両側閉鎖孔ヘルニアは稀で,本邦報告例は自験例を含め51例である.今回, CTにて術前診断しえた両側閉鎖孔ヘルニアの1例を経験したので報告した.
  • 2003 年 64 巻 9 号 p. 2348-2353
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 64 巻 9 号 p. 2354-2359
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 64 巻 9 号 p. 2360-2367
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
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