日本蚕糸学雑誌
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37 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 布目 順郎
    1968 年 37 巻 3 号 p. 187-194
    発行日: 1968/06/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    中国故宮博物館から, 李済博士が曽て山西省夏県西陰村の仰韶期遺跡から発掘せられた繭殻の写真の提供を受けたので, この写真に基いてその原形に復元することを試み, 復元された繭の形と大きさから, それが現在揚子江流域付近に棲む Rondotia menciana MOORE (中国名: Peh-yen-tsan 白眼蚕) の学名をもつ野蚕の繭に酷似するものであることを確認した。
    出土の繭殻の一端が人工的に切りとられていることから, 中の蛹を無傷でとり出す必要があったことを認め, そうしなければならなかった理由として, 現代の中国でも行なわれているように, その蛹を食用に供するか, 繭殻をまわた用又は紡績用に供するか, あるいはその両方が目的であったろうと推論した。
  • 吉武 成美
    1968 年 37 巻 3 号 p. 195-200
    発行日: 1968/06/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    北は北海道から南は屋久島までの約30個所から集められた約1,000個体のクワコ (Theophila mandarima L.) について, 血液のエステラーゼ型と酸性ホスハターゼ型を個体別に調査し, それらの地域的差異を検討した。その結果, 酸性ホスハターゼ型については近畿・東海地方を境として西では BphC 遺伝子, 東では BphD 遺伝子を有する個体の出現頻度が高いことがわかった。しかし血液のエステラーゼ型に関しては各地方によって多少の差はあるが明瞭な地域的差異は見出されなかった。
  • 第5報 紫外線照射によってフィブロイン表面に見られる特異な陥没現象について
    桑原 昂
    1968 年 37 巻 3 号 p. 201-206
    発行日: 1968/06/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    家蚕の上蔟時の温湿度条件とその毛羽中層部分フィブロインの紫外線照射による強伸度変化およびフィブロイン表面に見られる特異陥没現象との関係について考察を行った。
    1. 強伸度の変化
    (1) 未照射試料の強伸度は, 標準条件下で上蔟せしめた家蚕絹フィブロインが最も大きく, 同条件下で上蔟せしめた家蚕繭の毛羽中層部分フィブロインがこれに次ぎ, 高温多湿条件下で上蔟せしめた家蚕繭の毛羽中層部分フィブロインが最も小さい。
    (2) 紫外線100時間照射により標準条件下で上蔟せしめた家蚕絹フィブロインは強度約1/10, 伸度約1/4低下するが, 毛羽中層部分フィブロインはいずれも脆化甚しく測定不能である。
    2. フィブロイン表面に見られる特異陥没現象について
    いずれも光脆化作用特有の陥没現象が観察されるが, 高温多湿条件下で上蔟せしめた家蚕繭の毛羽中層部分フィブロインにおいて特に顕著に出現し, 標準条件下に上蔟せしめた家蚕繭の毛羽中層部分フィブロイン, 同条件下で上蔟せしめた家蚕絹フィブロインの順に軽微である。
  • 内海 進, 北野 実, 大西 盛夫, 栗栖 弌彦, 山口 長造, 市川 吉夫
    1968 年 37 巻 3 号 p. 207-212
    発行日: 1968/06/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    蚕病防除の目的でβ-プロピオラクトン (PL) を家蚕飼育中の蚕座に散布した場合の効果と問題点について検討した。
    病蚕の発生を抑制する目的でPL2.5%水溶液を5齢中1日1回蚕座に散布すると健蛹歩合を増加させる傾向が認められた。しかし飼育温度が低い場合や過度のPL使用によって障害蚕の発現がみられ, 障害蚕発現の度合は蚕児の健康度によって左右される傾向が認められた。
  • 渡辺 正男, 船田 敏夫, 窪田 厚, 川上 武治, 相沢 邦二, 北 征三, 松尾 直
    1968 年 37 巻 3 号 p. 213-218
    発行日: 1968/06/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    手足の簡易な消毒と, 蚕卵面の消毒に適した消毒剤をさがすため, クレゾール石けん, 逆性石けん, ダイセンステンレス, フォルマリン, クライトおよび塩酸を用いて伝染性軟化病ウイルスの不活化実験を行ない次のような知見を得た。
    1. 5%クレゾール石けん液24℃, 5分~2時間の処理範囲では, 不活化効果は極めて微弱であって, 実用には不適当である。
    2. 100倍逆性石けん液24℃, 5分~3時間の処理範囲では, 不活化効果は極めて微弱であって, 実用には不適当である。
    3. ダイセンステンレス500倍液24℃, 30分~2時間の範囲では, 不活化効果は極めて微弱であって, 実用には不適当である。
    4. フォルマリン3%および1.5%液は, 24℃, 30分以上で完全な不活化効果を示すが, 10℃では濃度が低くなるにつれ, また処理時間が短かくなるほど不活化効果は減少する。
    5. クライト200倍液は10℃, 10分間処理で完全な不活化効果を示す。
    6. 塩酸15% (15℃における比重1.110) 液は24℃1時間, 48℃, 6分, 10℃, 30分で完全な不活化効果を示すが, 10℃, 10分~15分では, その不活化効果が不完全となる。
  • 1968 年 37 巻 3 号 p. 219-221
    発行日: 1968/06/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 37 巻 3 号 p. 222-258
    発行日: 1968/06/30
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
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