〔1-
13C〕および〔2-
13C〕シングルラベル酢酸ナトリウムならびに〔1, 2-
13C〕ダブルラベル酢酸ナトリウム由来の家蚕絹フィブロインの生合成の様子を,
13CNMR法を用いて研究した。実験は,
13Cラベル酢酸ナトリウムを, 5齢6日目の家蚕に投与し, その体液ならびに液状絹を一定時間経過後に採取し, 得られた
13CNMRスペクトルにおいて,
13Cラベル炭素の強度変化ならびに
13C-
13Cスピン結合の有無を検討した。これら前駆体が, アセチルCoAとして, TCA回路に入り, 反応が進行する様子が,
13CNMRを用いて追跡可能であった。特に, TCA回路, 1サイクル目において, グルタミン, グルタミン酸が, 生成されること, 主にクエン酸の形で, 体液中にプールされることが明らかとなった。絹フィブロインは, これらの前駆体を素材として合成されるが, 特に, リンゴ酸を経由したアラニン残基合成の様子が,
13C-
13Cスピン結合の有無から明らかとなった。
抄録全体を表示