毛細管を通して溶融ポリエチレンを押し出す場合に, ある臨界のずれ応力あるいは臨界のずれ速度以上において流出糸は不規則な形状を呈するようになるが, このような臨界点におけるずれ応力および臨界点におけるずれ速度の値, およびこれらに対する温度, 分子量, 重合体種類, 毛細管の形状などの影響について考察した。(1) 同種の重合体においては, さない。一方臨界点におけるずれ速度は温度が高いほど, また分子量が小さいほど大きくなる。これは臨界点に対して見かけの溶融粘度の大きさが大きな影響を有していることを意味するものであると考えられる。(2) 製造法を異にする低圧法ポリエチレンを比較すると, 臨界点におけるずれの応力およびずれ速度の値が一定の傾向を持たない。これは臨界点に対して分子量分布が関係していることを意味するものと思われる。(3) 毛細管の形状によって臨界点は変化し, 毛細管のapproachが重要な役割を有していることがわかる。
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