乳化重合の進行過程を重合率, 重合温度, 生成物の重合度ポリ醋酸ビニルの重合度P_AC及びこれを鹸化して得られるポリビニルアルコールの重合度P_Aの變化から追跡して, 重合の過程が大體二つの部分, 即ち前期の水溶液重合と後期の乳濁粒子内の重合よりなる事を推定し, 後期の段階では二次重合が盛におこり, P_ACは激しく増大するがP_Aは非常に小さくなる事を確めた。なお乳濁粒子へVACが吸収されて重合がおこる事を別の實驗から確めこの際吸収したVACの重合した分だけ粒子の天きさが増大する事を確めた。

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乳化重合で得たPVAC及び二れよう得たPVAの分別實驗を行い市販の塊状重合物及び溶液重合物より得たとおもわれるものと比較して分子量分配状態に差のある事を見出した。PVACの分子量分配は乳化重合物は平均重合度が高く萬の程度であるにかかわらず分配の極大は低重合度部分にずれており数千の所にある。又PVAについていえば非常に低重合度部分にとみ分配に二つの山が認められる。分別したPVACの鹸化の際の重合度低下の分裂恒數Kは分子量に無關係に大體一定であり, 乳化重合物のKは塊状物, 溶液重合物に比べて非常に大きい。

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醋酸ビニルの過酸化ペンゾィルを觸媒とする塊状重合に封して, 空氣不純物の重合禁止期に封する影響を簡單な粘度變化の方法等によつて試驗してこ二三の興味ある事實を見出した。(1) 觸媒存在下で封管中で重合させた場合禁止期は空氣量と大體直線關係にある。(2) 封管重合で觸媒量と禁止期とは反比例する。(3) アルデヒドの添加で禁止期は添加量に比例して増大し, 増大の程度はアルデヒドの種類で異リク外ンアルデヒドは極微量の添加で重合をいちじるしく妨する。(4) 開放容器中で重合をさせた場合空氣との界面からの距離で重合速度は異う空氣面に近い所は重合がおくれるが遠い所はよりはやく重合する。(5) 開放器中で攪拌しながら重合する場合の禁止期は試料め量によつて異り, 試料が少い程空氣とよく接融するためか禁止期が長くなる。(6) 蒸溜後の試料の放置日數で禁止期は異り長く放置したものは新鮮な物に比べて禁止期は長い。

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アクリロニトリルの水に封する溶解度を測定し, 乳化重合觸媒として過酸化ペンゾイルと過硫酸加里との比較を行つた。特に過硫酸アンモンに依る水溶液乳化重合で, 重合速度がほぼ一次反應式に從つて進行し, 觸媒濃度の平方根に比例することを認めた。

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