高分子化學
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26 巻, 290 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 大西 輝明, 田畑 米穂
    1969 年 26 巻 290 号 p. 385-392
    発行日: 1969/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    旨放射線固相重合を分子量分布, 平均分子量の二つの側面から理論的に考察を行なった。重合のモデルに対しては, 考えられる実際の状態に近づけるための考慮が払われた。速度定数を表わすkp, kq, ksを主要のパラメーターとし, その他必要なパラメーターをも導入した。数値計算の結果は, 現在までの実験結果を定性的にではあるが, 矛盾なく説明できる。これらの結果は, 各種の物質の放射線固相重合に十分に適用し得るものと思われる。
  • 第12報N-(4-置換フェニル) マレイミド類の単独重合
    山田 正盛, 高瀬 巖, 三島 敏夫
    1969 年 26 巻 290 号 p. 393-400
    発行日: 1969/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    N-(4-置換フェニル) マレイミドの4-置換基をOCH3, CH3, H, Cl, 0COCH3, COOC2H5, COCH3とした各モノマーについて, 単独ラジカル重合を溶液で行なった。全重合速度式Rp=k [I] x [M] vxじは0.6~0.9, yは1.0~1.5, 活性化エネルギーは23.8~29.1kcal/mol, 頻度係数は6.6×1013~6.6×1017の範囲の値を得た。各モノマーの全重合速度Rpに対する置換基の影響は電子吸引性の場合には弱く, 電子供与性の場合には強く表われ, 全重合の相対速度RpX/RpHとハメットの置換基定数σとの対数プロットは曲線となったが, 山本, 大津らの共鳴効果を補正する式を適用すると直線となった。このようにして上のイミド類が酢酸ビニルあるいはメタアクリル酸メチルとの共重合において示す反応性と単独重合における反応性との関連性が明らかにされた。上のモノマーについて開始剤かプチルリチウムあるいはナトリウムエトキシド, 溶媒テトラヒドロフラン, 温度-20~-75℃でアニオン重合を行なった。n-ブチルリチウムでは重合率は高いが, 生成物の還元粘度は0.07程度に止まった。
  • 第13報窒素置換基に水酸基を含むマレイミド誘導体の重合
    山田 正盛, 高瀬 巖, 塚野 達郎, 上田 善規
    1969 年 26 巻 290 号 p. 401-407
    発行日: 1969/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    N-置換基に水酸基を含む3種のアレイミド誘導体, N-4-ヒドロキシフェニルマレイミド (HPMI), N-β-ヒドロキシエチルマレイミド (HEMI) およびN-メチロールマレイミド (MMI) を合成した。これらをモノマーとして, 1) 水あるいは水-ジオキサン溶媒, 過硫酸カリウム開始剤, 2) ジメチルホルムアミド溶媒, アゾビスイソブチロニトリル開始剤, 3) テトラヒドロフラン溶媒, n-ブチルリチウム開始剤などのそれぞれの組合せにおける重合を行なった。1) では重合率が割合低いところで反応は止まり, また重合曲線に最高値が現われた。これは開始剤に問題があると考えた。2) ではこれまでの同じ系統のモノマー同様, 重合速度式に1/2乗則が成立しなかった。HPMIは他の2者に比べ, 重合速度式の諸数値ははなれていた。たとえば重合速度は最も大きくまた特異な現象として重合率の上昇に反して還元粘度は低下した。これらをHPMIの水酸基の大きな活性によって説明した。3) ではリチウムを微量含むオリゴマー程度のものが得られた。一方水酸基がアニオン重合を完全に停止するものでないことを確かめた。このほか 2) のポリマーのアセタール化反応, その生成物のヨウ素吸着試験を簡単に行なった。
  • 中山 博之, 今西 幸男
    1969 年 26 巻 290 号 p. 408-415
    発行日: 1969/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    メタクリル酸メチルのn-ブチルリチウムによるアニオン重合を, トルェン中で-50℃から+30℃の温度範囲で行なった。高分子量ポリマーが生成する系での移動反応の存在と, その機構を明かにするために, 生成ポリマーの重合度に対する重合条件の影響を速度論的に解析した。その結果, モノマー移動反応が存在することが明らかになり, モノマー移動定数比が求まった。モノマーと類似の構造を持つプロピナン酸メチルを添加して重合を行ない, 生成ポリマーの重合度が低下することを認め, さらに速度論的取扱によってエステル移動定数比を決定した。モノマー移動定数比とエステル移動定数比はたいへん近い値であり, モノマー移動反応が, 生長アニオンとモノマーのエステル基の反応であることが示唆された。メタクリル酸n-ブチルについても同様の実験を行ない, 同様の結論を得た。
  • 第1報ラテックス粒子内部におけるカルボキシル基の分布測定
    室井 宗一, 細井 啓造
    1969 年 26 巻 290 号 p. 416-423
    発行日: 1969/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    アクリル酸エチル-アクリル酸共重合体ラテックス粒子内部におけるカルボキシル基の平均的な分布を測定した。ラテックス粒子は, アルカリ水溶液を, 量を増しながら段階的に添加して, 表面から中心に向って溶解した。溶解したポリマーは, 高速遠心分離法によって, アルカリ水溶液添加後ただちに未溶解の粒子しんより分離し, ついで分離したポリマーのカルボキシル基含有率を測定した。その結果, カルボキシル基は, カルボキシル化ポリマーラテックスの諸性質から推測される分布とよく一致して, 粒子表面においては平均値の約2~3倍の高濃度で存在するが, 粒子内部においては中心に向ってその濃度が急速に低下していることが明らかとなった。
  • 第2報不飽和酸モノマーのタイプによるラテックス粒子内部におけるカルボキシル基分布の相違
    室井 宗一, 細井 啓造
    1969 年 26 巻 290 号 p. 424-431
    発行日: 1969/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    α-アルキル置換アクリル酸およびイタコン酸モノアルキルェステルの共重合によってカルボキシル化したポリアクリル酸エチルラテックス粒子内部におけるカルボキシル基の分布を測定した。さらに, これら不飽和酸モノマーのモノマー相一水相間の分配係数ならびに共重合速度を測定し, カルボキシル基の分布状態と関係づけようと試みた。その結果, 不飽和酸モノマーの分配係数は, 置換アルキル基の炭素数の増加とともに増大し, かつこの傾向と並行してカルボキシル基の分布の均一さが増大することが見出された。他方, 不飽和酸モノマーの共重合速度はカルボキシル基の分布状態に関係づけることはできなかった。
  • 1969 年 26 巻 290 号 p. 432
    発行日: 1969年
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
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