分子内にチオエーテル結合をもつ新しい脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸6種を合成し, テレフタル酸との縮重合によりチオエーテル結合を含む結晶性共重合ポリアンハイドライドを合成して各重合体の性状を比較検討し, その赤外スペクトルとX線回折図を考察した。次式の各モノマーの合成条件を検討し, 収率良く合成しうる条件を求めた。
各チオエーテルジカルボン酸とテレフタル酸の組成と融点の関係を求め, 結晶性チオエーテル共重合ポリアンハイドライドの融点はチオエーテルジカルボン酸のモル分率の増加とともに低下し, 融点と組成の間には次のFloryの式で表わされる関係を満足することを確かめた。
これからクリスタリットを形成するテレフタル酸無水物単位1mol1あたりの溶融熱hμ=1400~1970cal/repeatingunit, 溶融エントロピーSμ=3.4~4.8cal/repeatiag unit/degなる値を得た。
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