PVCフィルムを空気中でwcatherometer (カーボンアーク) で照射したときの劣化を, 分光吸収, 粘度, 比重, X線回折, 元棄分析などによって検討した。赤外のカルボニル吸収は, 1720cm
-1および1770cm
-1付近の2カ所に生じ, 1600cm
-1付近のポリエンによる吸収はほとんど生じなかった。カルボニル吸収は, 初めの23時間以内に著しく大きくなり, その後690時間でも大きい変化はない。元素分析のOの値も同様である。OH吸収はほとんど見られない。この光劣化は熱劣化の場合と異なり著しいポリエン生成を伴わない酸化反応であって, 粘度低下から主鎖切断が相当おこっていることが認められた。ふつうの自動酸化とは異なるようであるが, 機構を推定するには至らなかった。照射によって比重が変化するが, X線回折の結果からみると結晶性は増加していない。
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