ヒドロキシルアミン-三塩化チタン系によるメタクリル酸メチルの塩酸水溶液中のレドックス重合を行ない, 各種反応条件下でのポリマーの収率, 重合速度, 生成ポリマーの分子量, アミノ基末端数などを求めた。その結果, 開始剤の低濃度域では, 均一系重合と同様に,
Rp=
K{[NH
2OH][TiCl
3]}
1/2・[M](
Rp: 初期重合速度, [NH
2OH], [TiCl
3], [M]: ヒドロキシルアミン, 三塩化チタン, モノマーの初濃度) が成立し, アミノ基末端数からも停止はポリマーラジカル間の再結合および不均化反応によって起こることかわかった。開始剤高濃度域では, 高くなるほど1分子あたりのアミノ基末端数は増加し, 停止はポリマーラジカル間の停止以外に1次ラジカル停止も関与してくる。また, 固有粘度, ハギンス定数と数平均分子量の関係などから, ここで得られたポリマーはレドックス比により異なる傾向を示すことを見出し, これについても考察した。
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