高分子化學
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22 巻, 238 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 第3報酸化による主鎖の開裂反応について
    水谷 幸雄, 山本 桂市, 松岡 星子郎, 井原 啓文
    1965 年 22 巻 238 号 p. 97-102
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    三塩化チタンージシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド-ナトリウム-水素系触媒によって重合した粉末状ポリプロピレンの酸化による主鎖の開裂反応を検討した。酸化剤として酸素および過酸化水素を用いた。酸素を用いた場合は酸素吸収量が大なるほど, また反応温度の高いほど主鎖の開裂速度が大きく, 活性化エネルギーとして30.5kcal/molという値を得た。過酸化水素を用いた場合には, 主鎖の開裂反応は, 過酸化水素濃度と関係なく一定速度を示し, また試料の灰分がかなり大きい要因であることを認めた。
  • 田畑 米穂, 安藤 孝義
    1965 年 22 巻 238 号 p. 103-106
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    α-オレフィン系の単独放射線重合については比較的報告が少ないが, すでに詳しい実験のなされているエチレン, プロピレン, イソブチレンなどのC2-C4のα-オレフィンに対してC8のオクテン-1がどのような機構で重合するかを検討した。実験は, 照射温度-196℃から+50℃の範囲の液相あるいは固相で放射線重合を行ない, 重合の温度依存性, ラジカル禁止剤の影響, 重合速度の線量率依存性, 溶媒添加による影響などについて検討した。実験の結果, 次のような事実を見出した。-78℃から+50℃の温度範囲でのアルレニウスプロットは直線関係とはならず, +20℃と-78℃における重合速度はともに線量率の1乗に比例した。比較的高温域では, 四塩化炭素は重合を加速したが, ベンゼンは抑制した。一方, 低温域では四塩化炭素は重合に影響せず, ベンゼンは重合を加速した。また, -78℃ で塩化メチレンが重合を加速した。これらの結果より高温域ではラジカル重合, 低温域ではカチオン重合が支配的であることが推定された。
  • 角岡 正弘, 田中 誠, 村田 二郎
    1965 年 22 巻 238 号 p. 107-112
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    紫外線照射によるカルボニル基の光分解を利用したセロハンに対するアクリロニトリルおよびアクリルアミドのグラフト重合について研究した。セロハン中のカルボニル基は, メチルビニルケトンとの付加反応によって導入したものである。照射時間とグラフト率, カルボニル基の含有率とグラフト率に関する実験結果から, カルボニル基が, 有効に作用していることがわかった。セロハンーアクリロニトリルグラフトポリマーの場合, 重合の溶媒としては, ジメチルホルムアミドよりも, 水の方が有効であった。セロハンーアクリロニトリルグラフトポリマーに対する根拠は, ジメチルホルムアミドおよび銅アンモニア溶液に対する溶解性により, また, セロハンーアクリルアミドグラフトポリマーに対する根拠は, 銅アンモニア溶液から回収されたポリマーの窒素分析値の比較によって, グラフトポリマーであることを示した。
  • 第4報 C-Stageにおけるメラミン樹脂の硬化速度定数と結合ホルムアルデヒドモル比の関係
    中島 三喜男
    1965 年 22 巻 238 号 p. 113-117
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    メラミン樹脂の溶液状態における初期縮合反応に関しては, すでに詳細な研究が見られるが, C-Stageにおける硬化反応についての報告はほとんどない。本報では, 樹脂のC-Stageにおける硬化速度定数と樹脂の結合ホルムアルデヒドのモル比の関係について検討した。C-Stage樹脂の硬化度測定は, 著者の報告した “ホルムアルデヒド溶出試験法” によった。また, 硬化の速度式は第3報に示した方法から求めた。その結果, 溶液状態における初期反応の場合と同じく低モル比の樹脂の方が硬化速度定数が大きいことが認められた。なお, 積層板の成形においては, 一般に所定時間熱圧後, 加圧下で室温付近まで冷却して積層板を取り出すが, この冷却過程中にも樹脂の硬化は進行する。本報では, 上述の冷却過程中の硬化についての取扱方についても明らかにした。
  • 第5報メラミン樹脂積層板の硬化度と特性値の関係
    中島 三喜男
    1965 年 22 巻 238 号 p. 118-127
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    すでに提唱したメラミン樹脂の硬化度測定法-“ホルムアルデヒド溶出試験法”-を用い, 結合ホルムアルデヒドモル比の異なる樹脂よりなる積層板の硬化度と諸特性 (吸水率・衝撃強さ・曲げ強さ・熱間かたさ転移点・硬度・体積固有抵抗・寸法変化率) との関係を, 定量的に関係づけることができた。一般に, 硬度・熱間かたさ転移点以外の特性値 (P) と, 硬化度 (F) の間には次の実験式が成立することが明らかとなった。

    (ただし, n: 結合ホルムアルデヒドモル比, A, B, a, b: 定数)
    また, 適正硬化度におけるホルムアルデヒド溶出量 (F0) は, 次式で示される。
    F0=B・nA
  • 加倉井 敏夫, 和田 恒夫, 野口 達彌
    1965 年 22 巻 238 号 p. 128-134
    発行日: 1965/02/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    反応性高分子として, エポキシ基を側鎖にもつグリシジルメタクリレートースチレン共重合体をn-ブチルアミンを用いて橋かけを行ない, ゲル化点を測定した。その結果, エポキシ基の反応に及ぼすポリマーの希釈効果として, エポキシ基初濃度の逆数と見かけの橋かけ密度の間に直線関係があること, また, ゲル化時間とエポキシ基初濃度との間に下に曲った曲線関係があり, 直線の傾きの相違は溶液中におけるポリマーの広がりに関係があり, 広がりが大きいほど分子間反応の割合が分子内反応よりも大きいことがわかった。これらの結果について, 理論的な考察を行なった。
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