各種PVAの構造, 熱処理時におけるPVAの構造変化と着色の問題などを紫外部吸収スペクトルより明らかにする目的で研究を行ない, 以下のごとき結果を得た。普通製造されるPVAの紫外部吸収スペクトルには程度の差はあるが, 230mμ, 280mμ, 330mμ 付近に吸収が認められ, 熱処理により着色と同時にそれらの吸収は著しく増大する。これら230mμ, 280mμ, 330mμ 付近の吸収はそれぞれ-(C=C)
n-C=O-のnが1, 2, 3の吸収に相当するK-Bandであることを化学的処理を併用し確かめた。これらの事実から熱処理時において, PVAに微量存在した-C=O-, -(C=C)
n-C=O-がさらにそれらの生成増加を誘因し着色しやすくすると考えた。
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