数種類の市販ポリプロピレンおよびそれらのエーテル抽出物の分別区分の溶液粘度を測定した。種々の溶媒に対してHugginsの式ηsp/c= [η] +k'[η] 
2cが成立した。k'はある分子量で極小を示した。デカリン溶液 (135℃) におけるChiangの粘度式 [η] =1.10×10
-4Mw
0.80を基準にして種々の溶媒における粘度式を決定した。イソタクチックポリプロピレン (IPP)-デカリン溶液では
d [η]/
dT>0であるに反して, アタクチックポリプロピレン (APP)-デカリン系では
d [η]/
dT<0を示した。これは熱力学的性質が立体規則性によって大きく変化することを意味している。APPに対してFlory定数K=1.66×10
-3 (34℃), 1.29×10
-3 (153.3℃) を得た。-logKm+ (3/2) log [1+ (4/3){(a-0.5) 
-1-2} 
-1] 対a-0.5 (ここで, Km, aは粘度式 [η] =KmM
aの係数) のプロットから, IPPに対してK=1.39×10
-3 (120~140℃) を得た。これから鎖の可とう性は立体規則性度の影響をあまり受けにくいこと, Kuata-Stockmayer-Roig理論を用いるならばポリプロピレンに対してはすぬけ効果は無視できることを結論した。
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